E.T._スティーヴン・スピルバーグ
E.T. - 映画情報
  • 公開:1982/06/11
  • 監督:スティーヴン・スピルバーグ
  • 出演者:ヘンリー・トーマス, ドリュー・バリモア, ピーター・コヨーテ
  • 製作国:アメリカ合衆国
  • 上映時間:1時間55分
MOVIE REVIEWS

E.T.という映画をご存じでしょうか?…と言うと笑われてしまうぐらい超有名作品であるこの映画は、1982年公開のスティーヴン・スピルバーグ監督のSF映画です。

映画史上最高の映画のひとつと呼ばれ、アカデミー賞は4部門を受賞し、当時の興行収入ランキング歴代1位『スター・ウォーズ』の記録を塗り替えたという名実ともにすごい映画ですよね。

しかし、実はこんなブログを立ち上げているにも関わらず『E.T.』を一度も観たことがなかったのです。

前回『宇宙人ポール』を観て、次回もコメディ映画を観ようって書いたんですが、そーいえば、宇宙人ポールの元ネタのひとつである『E.T.』を僕は一度も観たことがないじゃないか!と思いまして。

ここ最近の僕の指標である“Amazonレビュー”も100以上付いてたし4.5以上の評価だったので、とりあえずコメディは次回に取っておいて名作と名高い映画『E.T.』を観てみるかと思い立ちました。

そして僕は一生取り返せない後悔をすることになるのです…。

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映画『E.T.』 – ストーリー

E.T.
4.6

公開日:1982年06月11日
ジャンル:冒険映画, ファミリー映画, SF映画
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:ヘンリー・トーマス, ドリュー・バリモア, ピーター・コヨーテ

地球に観測に来ていた宇宙船。その存在に気がついた地球人は宇宙船に走り寄る。危険を察知した宇宙船はとっさに飛び出したが、一人の宇宙人を地球に忘れていってしまう。残された宇宙人は民家に逃げ込む。宇宙人を発見した10歳の少年エリオット。彼は宇宙人とのコミュニケーションを試み、兄と妹に宇宙人を紹介した。エリオットと宇宙人は心が通じ合うようになりシンクロし始める。E.T.と名付けられたその宇宙人は家に電話したいと伝えおもちゃなどから通信機を作り出した。ハロウィンの夜、E.T.を変装させ森に連れ出し通信する事に成功するが翌朝エリオットとともに瀕死の状態になってしまう。突然家に押しかけるNASAの役員。E.T.とエリオットは緊急治療を受けるが…

もし、あなたに和食屋で『E.T.』ってどんな映画?あらすじは?と聞かれたなら…

野口明人
野口明人
ちょっとあらすじを語る前にだいぶ長い御託を。この映画は一言で言えば、ちょっと言いづらいけど、『このブログの主、つまり僕の映画を観る価値基準が疑われてしまう映画』だと思うんだよね…。
野口明人
野口明人
その理由を聞いてもらってから、あらすじを話したいと思うので、途中で飽きちゃったらから揚げでも食べてて。
野口明人
野口明人
『E.T.』と言えば誰でも知っているであろう名作中の名作。
野口明人
野口明人
映画の名前はもちろん、スティーヴン・スピルバーグという監督の名前も一度は聞いた事あるだろうし、指と指を合わせるシーンや月をバックに自転車に乗って空を飛ぶシーンはどこかしらで観たり聞いたりしたことはあるでしょ?
野口明人
野口明人
しかし大人になるまで映画という映画をほとんど観てこなかった僕は有名所でさえ全てスルーしてきた。なーんも観てこなかった。
野口明人
野口明人
家族と家で金曜ロードショーを観るなんて事も一度もなかった。大人になってTSUTAYAの会員カードを作るまで本当に映画という世界からは無縁の世界に生きてきたんだよ。
野口明人
野口明人
だから当然、この『E.T.』も今日初めて観た。でも、かの有名なスティーヴン・スピルバーグの作品だし、どこでも名作と呼ばれている作品だし、かなり期待をして観ちゃったんだよね。
野口明人
野口明人
んで、結果「ぽかーん。。。」だった。
野口明人
野口明人
泣いたっていうレビューが多々あったので、涙もろい僕はかなり期待をしていた。さらに最近、知っている人が亡くなったばかりで落ち込んで泣いてばかりだったので、それも相まって泣いちゃうかもなと思っていた。
野口明人
野口明人
でも、この映画、終始「なぜ?」が頭に浮かび、「なぜ?」が解決される事を期待して観続け、「なぜ?」が解決されないまま終わって『ぽかーん』だった。
野口明人
野口明人
「これ、SFなんだよな。ファンタジーじゃなくてSFなんだよな」と何度も確認し、Google先生でも「E.T.わからない」「E.T.なぜ」で検索した。
野口明人
野口明人
結果、ほとんど何もヒットせずにモヤモヤ。SFファンタジーと表していたものがあったけど、矛盾じゃないか!矛(ほこ)と盾(たて)じゃないか!と。
野口明人
野口明人
ぬあーーーー!!!わからない。わからないよ!『E.T.』はなんでこんなにも謎が一杯あるの!これのどこがSFなの!サイエンスどこ行ったの!?
野口明人
野口明人
ま、否定から入ってしまったから、怒らないで聞いてほしいんだけど、正直な話をしておこう。
野口明人
野口明人
古さ特有の悪さは感じなかったんだ。CGが当たり前の時代に生きている今の感覚で観ても、着ぐるみが劣っていると感じさせなかったし、空を飛んだりする時のSFX技術もカメラワークとかでちゃっちさを感じさせなかった。
野口明人
野口明人
だから別に撮り方とか技術とかの問題じゃないの。技術は充分過ぎる程ひしひし感じてきたの。「1982年にこれを撮ったの?スティーヴン・スピルバーグすげー!」だったの。
野口明人
野口明人
映画を全く観てこなかったと言ったけど、では少年時代、僕は何に時間を費やして来たのかと言えば特撮。仮面ライダーやウルトラマン、戦隊モノばっかり観てきた。
野口明人
野口明人
後楽園に行きヒーローと握手してもらったり、全てのライダーの変身ポーズを覚えたり、風呂敷をマント代わりにして「とぅー」とか言ってジャングルジムから飛び降りたりしてた。
野口明人
野口明人
だから同じ特撮系の撮り方をしている『E.T.』だって受け入れられるはず、楽しめるはず!
野口明人
野口明人
なのに。全く「ぽかーん。。。」だった。僕は必死でその理由を考えた。と言うか、みんなが評価している点をひたすら拾っていった。
野口明人
野口明人
んでわかった事が一つ。『E.T.』を絶賛している人は公開当初に観ている人か、子供の時に観ている人が多い。そして今になって改めてもう一度観てみてやっぱり良かったです。という人が多いんだな。
野口明人
野口明人
そこからどういう事が言えるかと言うと、自分の人生の映画に触れた“初期の段階”で『E.T.』を観ているということ。
野口明人
野口明人
公開時以来『E.T.』フィーバーが起こり、その当時生まれもしていなかった僕らでも知っているような超有名作品になったわけじゃん?この後に作られた映画に多大な影響を与えたのも納得してる。
野口明人
野口明人
実際、前回観た『宇宙人ポール』も「まんまE.T.やないか!」とわかったシーンが沢山あったし。
野口明人
野口明人
でもやはり、最初に『E.T.』を観るのと、色んな作品を観てしまった後で『E.T.』を観るのでは天と地ほどの差がある。
野口明人
野口明人
「この作品も全部E.T.の影響受けてるじゃん」とE.T.を持ち上げて捉えられるのと「なんかこのE.T.ってどっかで観たことある映画だな」とE.T.を下げて捉えてしまうという全く逆のベクトルを向いちゃうという差が。
野口明人
野口明人
たとえば僕が今、仮面ライダーを観たら、ところどころ子供だましに思えてしまうシーンがあると思う。子供の時に比べて知識が増えているわけだからね。
野口明人
野口明人
それでも今、仮面ライダーを観ても面白いと思うのは、当時の記憶、特にポジティブにとらえていた記憶をトレースして今の感想を持つからポジティブな印象になりやすいんだと思うんだ。
野口明人
野口明人
わかりやすく言えば「仮面ライダーは面白いものなのだ」っていう先入観?ファーストインプレッション?それが全てだと思うんだよね。だからE.T.を観て既視感を覚えてしまう僕の感覚では、もうE.T.の良さを知るには時すでに遅しなのかもしれない。
野口明人
野口明人
もしこれを子供の頃に観ていたのであれば、意味がわからなくてもなんとなくいいな。感動出来るな。と捉えられていたでしょう。そしてその時の気持ちを思い出しながら現在も観ることが出来るのでこの作品は名作だ!色褪せない!って事になっていた。
野口明人
野口明人
しかし大人になってしまった僕が手放しで喜ぶにはいささか知識をつけすぎた。
野口明人
野口明人
素直には受け入れられず、あら捜しばっかり探してしまう。そこで「なぜ?」が多い作品だなって事になるわけ。撮り方とか技術は充分なのにストーリーや登場人物になぜ?って思ってしまう事が多いんだよね。
野口明人
野口明人
まず、この映画に出てくる大人はなぜこんなにも共感出来ないやつばっかりなの?母親はなんなの?NASAのやつはなんなの?なんで銃を構えているの?なんで?
野口明人
野口明人
まぁ、あれだよ。確かにささやかな説明はしてくれているんだよ。
野口明人
野口明人
母親は夫が愛人作って出ていってしまったばかりだし、NASAの人は10歳の時からコンタクト取っていたらしいし、銃はスピルバーグがどうしても気に食わなかった場面らしく、後々修正しているし。
野口明人
野口明人
それでも母親は理解を示さなすぎだし、10歳の時からE.T.を待っていたというセリフだけで何の説明にもなってないし、そもそもE.T.で有名な指と指を合わせるシーン出てこないやないか!
野口明人
野口明人
指の怪我を直すシーンはあったけど、ポスターにあるようなあんなポーズじゃない!なんやねんこの映画。なんでこんなモヤモヤが残るんだよ。
野口明人
野口明人
…と、僕はキレたわけ。家で一人ね。
野口明人
野口明人
でもやっぱり名作と言われているものを理解出来ないのは悲しいし悔しいじゃん。
野口明人
野口明人
だから色んな情報をさらに集めて、アレはああいう意味があるんだよ。これはSFではなく両親の離婚を受け入れる少年の物語なんだよ。この映画は音響や映像が評価されているんだよ。っていう所を心の中にいれてやっと納得できたってのが結論。
野口明人
野口明人
コンセプトはスティーヴン・スピルバーグ監督が両親の離婚後に作った空想上の友人らしい。幼いころは学習障害やユダヤ人であることが原因でいじめられていたらしく、両親も離婚。だからE.T.のような友人を作り上げたんだね。
野口明人
野口明人
そういう事情も含めて、この映画はあれこれ理由を考えちゃいけないんだ。感じるんだ。Don’t think ! Feelってやつ。
野口明人
野口明人
音楽も、あぁこのシーンで感動を引き立ててるなぁとか考えるんじゃなく。感動するわー。でいい。ストーリーもそれほど重要じゃない。親密になった二人が別れるのは泣けるだろ?でいい。
野口明人
野口明人
銃を構えられてそれに対して抗議するでも避けるでもなく、チャリで空を飛ぶってロマンチックだろ?でいいんだ。
野口明人
野口明人
指と指をあわせるシーンもそんなシーンがあったら素敵だろ?なんとなく宇宙人と地球人がわかりあってる気がするだろ?でいいんだ。実際違う使われ方をしていたとしても。
野口明人
野口明人
そう。この映画は推理小説じゃない。謎が残ったっていい。この映画を観る人が望んでいるのは夢なんだぜ。宇宙人という夢の存在を用いて、夢が沢山詰まった映画を作った。ワクワクするじゃないか。
野口明人
野口明人
理解するかどうかは問題じゃない。夢は説明できないからいいんだ!
野口明人
野口明人
そんな事を考えて、なんとか名作たる所以を理解しましたよ。
野口明人
野口明人
ま、とりあえず僕はあれだな。この映画を観るには遅すぎたな。僕にはもうどうやったってこの映画で泣くというのは無理なようだ。
野口明人
野口明人
だからって駄作だとは言わないし、おすすめしないなんて言わないし、観ないほうがいいよとも言わない。僕にはこの映画の良さを伝えられないよってことだけさ。
野口明人
野口明人
「この映画の良さがわからないなんて、人生損してますねとか、心が死んでる」とか言われるかもしれないけれど、映画ってのはいつ観るかが結構重要だってことがわかったよ。
野口明人
野口明人
あらすじに関しては10秒でわかるやつにまとめた感じのやつでいいと思う。それほどあらすじはこの映画には必要ないんだ。宇宙人が忘れられて、少年が出会って、大人にバレたら研究されたり殺されたりしちゃうんじゃないかって思って僕が守るよ!って躍起になる話ぐらいで大丈夫だと思う。
野口明人
野口明人
んで、宇宙人は帰りたくなって、少年は帰ってほしくはないんだけど、帰るための手伝いをするってお話。
野口明人
野口明人
大人は彼らには帰ってほしくないから邪魔するって感じかな。その中でチャリで空を飛ぶ必要なんて本当はないわけだし。だから夢と現実とが混在する世界。
野口明人
野口明人
混在するからストーリーもキャラクターも理解できない所がある。でもいいじゃんそれで。うん。

…そんな事を『E.T.』についてから揚げと揚げ出し豆腐でもツマミながら和食屋で話すと思います。

『E.T.』の名言

彼は僕が守る

E.T.うまくいったぞ!

イツモココニイルヨ

『E.T.』のおすすめポイント

・夢いっぱい広がるファンタジー。これはSFではなくファンタジーなんだと僕は思う。理解せずに感じるんだ。考えるな、感じろ系の映画。

映画『E.T.』 – まとめ

色々とギャーギャー言いましたが、あれです。面白いか面白くないかで言えば面白い映画です。それは確かです。

僕は観る前に自ら『E.T.』のハードルを上げすぎた気がします。感動作だ。名作だ。なんだと。周りの意見がどうのこうの言う前に、普通にこの映画を映画館で観て、面白かったね!とそう言える作品かどうかを自分で判断しなければなりません。

そういう意味で面白かったのかどうかと言うと面白かったのです。

なので、上映されてから20年以上経った今でも充分に観るに値する映画でしょう。あまりハードルを上げすぎないように観てくださいませ。

ではでは『E.T.』でした。

ちなみにE.T.とはThe Extra-Terrestrialの略で「地球外生命体」ってことです。

あ、これまた蛇足ですが、このブログでもレビューした『50回目のファースト・キス』のドリュー・バリモアがクッソ小さい少女で出ています。

天才子役だったんだなぁ。そしてWikipediaで調べたら彼女の人生が『E.T.』で売れたことによっていかに過酷なものになったかを知って、ちょっぴりへこみました。なんでいじめなんて存在するんだろ。

本当に。もう。

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E.T. - 感想・評価

E.T.
4.6

公開日:1982年06月11日
ジャンル:冒険映画, ファミリー映画, SF映画
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:ヘンリー・トーマス, ドリュー・バリモア, ピーター・コヨーテ

E.T.
  • ストーリー - 45%
    45%
  • キャラクター - 50%
    50%
  • 演出 - 85%
    85%
  • 映像 - 75%
    75%
  • 音楽 - 95%
    95%
70%

映画レビューまとめ

有名だから名作だからと言って全てが素晴らしいわけではない。それを履き違えて完璧な映画を求めてしまうと僕みたいに拒否反応を示してしまうと思う。この映画は映像、音楽、発想が素晴らしいのであって、そこを感じる映画。意味とか考えちゃダメなんだ。

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E.T._スティーヴン・スピルバーグ
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