- 公開:2009/08/30
- 監督:トム・シックス
- 出演者:ディーター・ラーザー, アシュリー・C・ウィリアムズ, アシュリン・イェニー
- 製作国:オランダ
- 上映時間:1時間30分
ムカデ人間という映画をご存じでしょうか?見るからに強烈なイメージを与えるこのタイトルですが、続編までも作られるほどの人気ホラー映画です。
その第一作目である『ムカデ人間』は2009年にトム・シックス監督によって発表されました。このトム・シックス監督はオランダ出身なのですが、監督、脚本、制作、編集までやるという徹底ぶり。
エログロの代名詞としても名が挙がるこの映画、正直な話それほど期待はしていませんでした。だって「ムカデ人間」ですよ?もうB級感満載じゃないですか。
が、しかし!
いい意味で想像していた作風と違って想像以上に楽しめました。…ということで映画『ムカデ人間』のレビューをしていきたいと思います。
スポンサードリンク
映画『ムカデ人間』 – ストーリー
公開日:2009年08月30日
ジャンル:ホラー映画
監督:トム・シックス
出演:ディーター・ラーザー, アシュリー・C・ウィリアムズ, アシュリン・イェニー
ネタバレ注意『ムカデ人間』のあらすじまとめ
ドイツを旅行中のアメリカ人女性のリンジーとジェニー。彼女らはドイツで知り合ったウェイターに誘われたパーティーに行こうと車で向かっていた。
しかし、森の途中で迷子になってしまい、さらには車のタイヤがパンクしてしまった。レンタカー会社に連絡をしようとしたが携帯電話は圏外。助けを呼ぼうと散々森を歩きまわり、疲れ果てた二人は喧嘩を始めたが、その時やっと見つけた家の灯り。
ずぶぬれの中、ドアをノックし、事情を説明するとその家に住んでいた男は中に入れてくれた。ずいぶんと奇妙な雰囲気をかもし出す男性に車の救援コールをお願いすると奥のほうで電話をかけ、水を持ってきてくれた。
30分ほどで着くそうだとその男性は言い、リンジーとジェニーは持ってきてくれた水に口をつけた。そして待っている間に間が持たず、ジェニーはその男性に質問をした。
「とっても素敵な家ね。奥さんはいるの?」
「イヤ、人間は嫌いなものでね」
その発言にビビってしまったのか、リンジーは飲んでいた水をこぼしてしまう。その瞬間、
「何をやっているんだこのグズなメス牛め!眼が悪いのか、このバカが!」とその男は怒鳴り、タオルを取ってくると言ってどこかへ行ってしまった。
リンジーとジェニーは早くこの家を出よう、タクシーを呼んで、車は後でいいよねと相談していると急にジェニーが眠いと言い出した。帰って来た男にタクシーをお願いしたいと言うとダメだと断られる。
ジェニーの異変に気がつき何があったの?と聞くとその男は「レイプドラッグだ。ロヒプノールさ。眠気、めまい、感覚の喪失を引き起こす…」と淡々と説明する。
事態が飲み込めないリンジー。そしてリンジーの身体も次第に動かなくなり、その男はリンジーの首に注射をした…。
眼が覚めるとそこは腕や足が縛られたベッドの上。リンジーとジェニー、そして知らない太った男性が3人並びでベッドで眠っていた。眼が覚めた三人は騒ぎ始めたが、そこへこの家の主のあの男がやってきた。
そして、太った男性の前に行き、「友よ、君は適合しない」と言い放ち、注射をした。その途端、男性は息絶えてしまった。それを見て泣き叫ぶリンジーとジェニー。そんな二人の隣に、この家の主は新しい男を連れてきた。関西弁を話す日本人、カツロー。
理解も出来ず騒ぐカツロー。そんな三人に家の主は説明する。
「私はヨーゼフ・ハイター博士。外科医は引退したが今でもシャム双生児の分離手術の権威として世の中に広く知られている。半年前、人類初の手術に着手した。分離ではなく創造のね。3匹のロットワイラー犬を見事に結合させ、ひとつの生命体に変えた。幸いにも君達の組織は適合した。だからこれから行うことを君達に説明しよう…」
そういってハイター博士はこれから行う気持ちの悪いムカデ人間手術の説明を淡々と話していく。その間、3人は逃げようにも手足を拘束されているのでわめくことしか出来ない。
いよいよ手術が始まる時、リンジーは手の拘束具を口で外し、一度は脱出を試みたがジェニーを連れて家の外に出た瞬間に麻酔銃で撃たれてしまう。
手術が施され、三人はひとつにつながれてしまった。カツローの尻にリンジーの口がつき、リンジーの尻にジェニーがついていた。三人はひざの靭帯を切られてしまったので立つ事も出来ない。食事はカツローだけが行い、リンジーはカツローのクソを食らい、ジェニーはリンジーのクソを食らわなければならない。
手術の成功に満足したのか、ハイター博士は笑顔でムカデ人間を調教し始めた。新聞を取りに行かせたり、またがって散歩させたり、ブーツに噛み付かせたり…。
唯一話すことが出来るカツローは何度もハイターを罵倒するがハイターは何も動じることがない。そんな鬼畜じみた生活を送っていたハイター博士だったが、警察が家にやってきたことで変化が訪れる…。
『ムカデ人間』の名言
オマエのやっていることはオナニーなんだよ!
俺は虫けらです。親を捨て、子供を捨て、愛を拒絶して生きてきました。虫けら。虫けら以下の存在です。でも、でも神様。たとえそうだとしても。たとえコレがあなたの与えた天罰だとしても、俺は人間であると信じたいです!
『ムカデ人間』のおすすめポイント
日本人のカツロー役で出ていた俳優さんがいい存在感を放っている。
ハイター博士のマッドサイエンティスト振りが怖いほどにじみ出ている。
グロさはあるが、ある程度を超えると笑えてくる。
恐怖はほとんどないよく出来たB級ホラー映画
この映画、もうちょっとグロいかなぁ…と思っていたんですが、そこまでではありません。SAWとか見られるレベルの人ならばいけると思います。
グロいのは手術時だけで、あとはつながっているムカデ人間を見るだけの映画なのでストーリー的にはそれほど変化もありません。前半部分は被害者がムカデ人間にされるまでのホラー。後半部は警察やムカデ人間から追い詰められるハイター博士側のホラーです。
前半はある程度怖い部分もありますが、後半はなぜかわからないですが、笑えます。
まぁ、それがB級映画たる所以なんでしょうけど。
とにかくこの映画は日本人の存在感ありきで成り立っているところがあるので、吹き替えではなく字幕で見ていただきたい。日本語吹き替えは日本語のところも別人が吹き替えてしまってちょいちょいせりふが変わっています。
この映画突然出演が決まったカツロー役の北村昭博はせりふが用意されておらず全部アドリブでしゃべっているみたいです。でもそれがいい味を出している。それが吹き替えだとちょっと凄みが消えちゃっているのがもったいないのでぜひ字幕で。
怖くはないけど、気持ち悪い映画。でも、言われているほどグロくはない映画です。
映画『ムカデ人間』 – まとめ
えー、思ったよりちゃんとしてて、グロさだけで押しのける映画ではなかったので非常に見やすい映画でした。まぁ、続編は見る予定はないですが3部作だそうですよ。
ちまたでの評価はまちまちですが、僕的にはハズレではなかった映画かな。
とにかくカツローの存在が大きかったです。はい。
好奇心旺盛で、ちょっとグロいのも見られるよ!っていうあなたは良かったら観てみてくださいませ。まぁ、全体で90分ぐらいなんでさくっと見られますよ。
また、僕には不評だった吹き替え版はハイター役の若本ボイスが堪能できますので、ドラゴンボールのセルの声が好きなあなたは吹き替えもお楽しみくださいませ。
はい。
ではでは、『ムカデ人間』でした。
スポンサードリンク
ムカデ人間 - 感想・評価
公開日:2009年08月30日
ジャンル:ホラー映画
監督:トム・シックス
出演:ディーター・ラーザー, アシュリー・C・ウィリアムズ, アシュリン・イェニー