ブラックホーク・ダウン_リドリー・スコット

『ブラックホーク・ダウン』は実話を元に作った映画。悲惨。

ブラックホーク・ダウン_リドリー・スコット
ブラックホーク・ダウン - 映画情報
  • 公開:2001/12/18
  • 監督:リドリー・スコット
  • 出演者:ジョシュ・ハートネット, ユアン・マクレガー, トム・サイズモア
  • 製作国:アメリカ合衆国
  • 上映時間:2時間25分
MOVIE REVIEWS

ブラックホーク・ダウンという映画をご存知でしょうか?『エイリアン』で有名なリドリー・スコット監督の2001年の作品なのですが、悲惨すぎる戦争映画なのです。

前回レビューした『フルメタル・ジャケット』に続き戦争映画を観ようと、戦争映画の最高傑作と名高い『ブラックホーク・ダウン』を選んだのですが、まさかここまで悲惨だとは。

1993年に実際に起きたモガディシュの戦闘というソマリアで起こった内戦に対するアメリカの軍事介入の大失敗を描いた映画『ブラックホーク・ダウン』がどう悲惨なのか、レビューしていくことにしましょう。

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映画『ブラックホーク・ダウン』 – あらすじ

ブラックホーク・ダウン
4.5

公開日:2001年12月18日
ジャンル:アクション映画, ヒューマンドラマ映画, 戦争映画
監督:リドリー・スコット
出演:ジョシュ・ハートネット, ユアン・マクレガー, トム・サイズモア

ま、最高傑作だなんだっていうのは人それぞれの好みがあるのでそこには触れないとして、この作品は極力リアリティに忠実に作ったものらしい。ほとんどが戦場のシーンで、無惨なぐらい人が死ぬ。

ロケットが体に突き刺さったシーンや、ヘリコプターから人間が落ちてしまったり、地面に落ちている手を拾ったり。とにかく無惨だ。

そもそも、この物語の前提では死者は出ない1時間ほどで終わるはずのアメリカの作戦だった。ソマリア内戦を終結させようと和平に反対するアイディード将軍の副官を2人を確保する。そのために100人の兵を送った。兵士たちも死者が出るような作戦だとは思っていなかったようだ。

しかし、アメリカの出撃情報はアイディード将軍にすぐに察知され、ありとあらゆる手回しをされてしまう。ヘリコプター、ブラックホークで兵士たちがロープを使って地上に下降している時、RPGという爆撃がブラックホークをかすめる。その衝撃でヘリから真っ逆さまに一人の兵士は落ちてしまう。

死者はひとりも出さずに帰ってくるはずの作戦がほころびをみせ、一機のブラックホークが墜落してしまうと、その作戦は完全に破綻した。

アイディード将軍の副官を2人確保なんてのはもう話にならず、数千もの民兵と打ち合い、ブラックホークのパイロットを救おうと新たなヘリを向かわせるもそれも墜落してしまう。

泥沼の戦場と化した街の中でアメリカ兵はとにかく仲間を守るために戦う。

そんな内容の映画です。最終的に19人のアメリカ兵の死者とソマリア人1000人の死者を出しただけの結果だけが残った。この2週間後、アメリカは軍事介入を取り下げ、特殊部隊の撤退をする。

無駄に死んだだけのアメリカの大失敗。

アマゾンのレビューとか、映画考察サイトなんかを読むと賛否両論で、アメリカ万歳の映画だとか、反戦失敗映画だとかそういう批判の声が上がってましたが、この映画を詳しく解説しているサイトを読むとこの映画は実に善悪を決めつけずに作られている良作だとありました。

確かに、主人公がアメリカ軍人でアメリカ軍からの視点で描かれた作品なので、アメリカ万歳映画、軍人の英雄お披露目映画にも見えます。

そして最後にテロップで19:1000の数を見せられるので、アメリカ批判、反戦映画にも見えます。

が、振り返ってみるとここで戦っているアメリカ人、ソマリア人、それぞれ自分らの命を守るために戦っているんですよね。ただそれだけなんですよ。とにかく仲間の命を守る為に戦っている。

劇中で、「弾が頭をかすめた瞬間―――政治やくだらん話は吹っ飛んじまうさ」というセリフがありますが、このセリフがこの映画のすべてを物語っている気がします。とにかく正義や悪がなんだとかそういう次元の話ではないんです。

事実を事実として作品に表し、答えを提示することなく、観たものが感じるままに受け取る。答えの押し付けはしないけれど、この史実をなかったことにしてはいけないんだよというメッセージですかね。この映画のキャッチコピーも「あなたはこの戦争に言葉を失う。しかし、知るべき時が来た。」ってなってますし。

Blu-rayで観たんですけど、特典が本編よりも長いメイキング映像になっているんですよ。その中でも原作者がおんなじようなこと言っていたんで、この映画はアメリカ万歳として作ったんでもないし、アメリカ批判で作ったのでもない気がします。

そうなると、極力脚色をせずに状況説明を省き、実際に観ているぼくらが戦場に立っているような臨場感にかられるリアリティを追求したこの作品は結構な良作なのではないかと。

はい。

そんな事を考えて、先日酷評した同じ戦争映画の「フルメタル・ジャケット」の事も考えてみるとストーリーがつまらないだなんだの言ってましたが、見直す必要があるなと思いました。

ちょっと反省。

まとめ

さて、まとめ。多分、この映画は若干あらすじをわかってみたほうが楽しめる作品だと思います。前に観た「サイコ」は絶対にあらすじ観ちゃダメな作品でWikipediaを呪ったんですけどね(笑)この映画に関しては事前にWikiってた方がいいかも。

とりあえず、最高傑作だなんだと論じたりはしませんが、結構考えさせられた作品でした。良かったら観てみてください。グロいですけどね。

そんな感じです。

あ、ひとつだけケチをつけるとしたら登場人物が多すぎて顔が覚えられません。有名俳優さんだ!と思っていた人もすぐ死んじゃうし。ただ、コーヒー係のグライムズ役をやっていたユアン・マクレガーと「コンタクト」に出ていたウィリアム・フィクトナーの二人のやり取りは印象強かったです。

ではでは。『ブラックホーク・ダウン』でした。

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ブラックホーク・ダウン - 感想・評価

ブラックホーク・ダウン
4.5

公開日:2001年12月18日
ジャンル:アクション映画, ヒューマンドラマ映画, 戦争映画
監督:リドリー・スコット
出演:ジョシュ・ハートネット, ユアン・マクレガー, トム・サイズモア

ブラックホーク・ダウン
  • ストーリー - 60%
    60%
  • キャラクター - 50%
    50%
  • 演出 - 85%
    85%
  • 映像 - 80%
    80%
  • 音楽 - 70%
    70%
69%

映画レビューまとめ

登場人物多すぎて誰が誰だかわからなくなるのがネックだけれど、とりあえず映画全体から伝わってくる何かを受け取れるからよい。

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