『タクシードライバー』を観て厨二病とか言っちゃう前に歴史を学べ!

タクシードライバー

公開:1976/02/08

監督:マーティン・スコセッシ

出演者:ロバート・デ・ニーロ

製作国:アメリカ合衆国

REVIEW - 映画レビュー

『タクシードライバー』のサックスの存在感が半端ない。映画って色々あると思うけど、ここまで映画の内容と音楽がマッチした映画は珍しいと思いました。音楽、歴史、人間。色々なものが混ぜ合わさって出来ている映画です。1976年と古い映画ですが、Amazonで評価がクッソ高いのもうなずけます。

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10秒でわかる『タクシードライバー』のストーリーのまとめ

夜が眠れずタクシードライバーになった元海兵隊のトラヴィス。彼はニューヨークの街を走り、腐敗した現代社会を嘆き、孤独や怒り虚しさを抱え徐々に心を蝕まれていった。誰一人として自分を理解してくれない事を悟った彼は自分の進むべき道を定め、自分という存在を世間に知らしめるべく拳銃を購入し、射撃の訓練と肉体を鍛える事に励んでいった。鏡に向かって拳銃を構える姿は狂人のよう。浄化作戦を実行に移す彼はモヒカン姿で大統領候補の演説を笑顔で聞いていたのだが…

もし、あなたに居酒屋で『タクシードライバー』ってどんな映画?あらすじは?と聞かれたなら…

野口明人
この映画は一言で言えば、ベトナム戦争後のアメリカの闇を切り取った映画なんだ。
野口明人
海兵隊として戦争に行き、母国に帰ってきたトラヴィスはPTSDにかかり、不眠症に悩まされ定職につくことが出来ず、タクシー会社に就職した。PTSDって言葉は当時それほど認知されていなかったけど、心的外傷後ストレス障害。簡単にいえば戦争によるトラウマのようなもので普通の生活が送れなくなる事。アメリカ政府はこのPTSDはベトナム戦争とは関係ないよって言い張って若者に対するケアなどを全く行わなかったんだよ。
野口明人
現代で考えれば日本は戦争をしない国にはなったけど、たとえば大地震を体験した人もPTSDにかかって苦しんでいる人は沢山いる。募金を募って、食べ物や着るもの、布団などを送って、不足している物資を送って、復興の手助けをしてハイ終わりってわけには行かない。食べ物に困らなくなっても、住む場所に困らなくなっても、今までと同じ生活が送れるようにみえたとしても、それでも心がもとに戻らずに苦しんでいる人がいっぱいいる。心のケアまで政府は目が届かない。別に当時のアメリカのように見放しているわけじゃないのだろうけど、目に見えないものだからそこに充分な対策が講じられていないのが現状なんだと思う。まぁ、テレビで観た事の受け売りだから僕も偉そうな事言えないんだけどさ。
野口明人
そんな心的外傷後ストレス障害を取り扱ったのがこの『タクシードライバー』っていう映画なんだと僕は思った。まぁ、そんな時代背景とか知らなければただの厨ニ病をこじらせた若者の映画って感じに見えちゃうんだけど。ベトナム戦争もさ、この映画を観た後に調べてみたんだけど、アメリカが初めて“勝てなかった”戦争で、ティック・クアン・ドックって坊さんがガソリンかぶってアメリカ大使館前で焼身自殺したり、結構なショッキングな出来事が起きた戦争。その焼身自殺の写真をジャケットに使ったRage Against the Machineってバンドのアルバムを僕は中学校の時に聴いた事はあったけど、その意味もよくわかってなくて、かっこいいなこのバンドぐらいにしか思ってなかった。
野口明人
まぁ、そういう御託はいいか。とりあえず映画の話に戻そう。そういうベトナム戦争を体験した後、タクシー会社に就職したトラヴィスは、毎晩夜のニューヨークをタクシーで走らせて、客も選ばずただひたすら働いてた。戦争後のニューヨークは性犯罪や暴力事件、麻薬の横行などが多発していて、タクシー業界も客を選んだりしてさ、黒人は乗せないとか、あの地域には行かないとか暗黙のルールみたいなのがあったんだよね。でもトラヴィスはそんなの構わず働いてたから、周りからは守銭奴とか揶揄されたりしてね。周りと上手く調和出来なかった。
野口明人
そんなトラヴィスの唯一の楽しみはポルノ映画を観に行く事だけでさ、まぁ、楽しみって事でもなかったんだろうけど、徐々に孤独に苛まれていく。そんな時に、まるで天使のようなベッツィーという女性に出逢う。彼女は次期大統領候補のパランタイン上院議員の選挙活動を手助けする事務所で働いていて、毎日その様子をタクシーから眺める事が楽しみになってきた。
野口明人
ベッツィーには同じ事務所に行為を寄せてくれる男性がいたが、どうにも退屈を感じないではいられずにいた。そんな時、トラヴィスから声をかけられ喫茶店でお茶をすることになった。不思議な雰囲気を漂わすトラヴィスにベッツィーは好意を寄せ、トラヴィスがデートに誘うと断ることをしなかった。
野口明人
トラヴィスは喜び、ベッツィーをいっつも通っているポルノ映画に連れて行った。ベッツィーは酷く怒り、トラヴィスを置いて先に帰ってしまう。トラヴィスにはなぜ彼女がそんなに怒るのか理解できなかった。それからというもの、電話をかけても無視され、冷たくあしらわれてしまう。トラヴィスはますます孤独にさいなまれるようになり、ベッツィーの事務所に押しかけ彼女に向かって「殺してやる!」と罵るほどになってしまう。
野口明人
またもや目的や意味などを失い、無感情で夜の街をタクシーで走るトラヴィス。そんな時、一人の少女がタクシーに駆け込んでくる。「どこでもいいからとにかく早く出して」少女はそう言ったが状況を上手く飲み込めないトラヴィス。すると知り合いであろう男がタクシーから彼女を引き下ろし、今のことは忘れろと20ドルをトラヴィスに向かって投げ込んで去っていってしまう。連れて行かれる少女。それを眺めるトラヴィス。その時、トラヴィスは何かを決意する。
野口明人
知人を通じて裏ルートから拳銃を大量に買い込み、射撃の訓練と筋トレに励むようになる。そして拳銃を構え、鏡に向かってブツブツと何やらおかしなことを言い始める。「どうなんだ?俺か?俺に向かって言ってるのか?」
野口明人
その後、何度かあの少女を見かけ、彼女が売春をしている事を知ったトラヴィスはお金を払い彼女と二人きりになった時に、彼女の名前と過去にタクシーに乗ってきた事の話をする。アイリスと名乗った少女は学校に行っていない事、タクシーに乗っていた時は薬でラリっていた事を告げたが、トラヴィスが男はお前を利用する事しか考えてない、あんな男の元を離れ、家に戻り、学校に行くんだと説得しても聞く耳を持たない。しまいには呆れられてしまう始末。
野口明人
家に戻り、アイリスに向けてお金を包み、一緒に手紙を書く。そして浄化作戦を実行する。彼は髪の毛をモヒカンにし、軍服に身を飾り、パラタイン上院議員の演説に参加する。彼の演説にニッコリ笑顔で拍手を送るトラヴィス。上院議員がその場を退場する時を見計らって、彼に近づき胸元に隠してある拳銃に手をやる。
野口明人
その瞬間、シークレットサービスに見つかり、捕まりそうになる。計画は失敗。
野口明人
必死で逃げ去るトラヴィスはその夜アイリスの元に向かい、アイリスを利用している男スポーツをを射殺する。続いて、用心棒、アイリスを買いに来ていた客などを続けて射殺。彼らの必死の抵抗で自らも拳銃で撃たれてしまうが、意識が残っているトラヴィスは自らの拳銃を自分の喉に向け引き金を引く。しかし弾切れ。警官が駆けつけ、危険人物として拳銃を向けられた彼は、怖じけることもなく自分の手をピストルのようにして、自分の頭を2回撃つ。
野口明人
マスコミはトラヴィスを少女を裏社会から救った英雄として取り上げ、家に戻ったアイリスの両親からは感謝の手紙が届いた。
野口明人
重症から復帰したトラヴィスは再びタクシードライバーとして働き、一人の女声を乗せる。それは彼の有志を雑誌で読んだベッツィーだった。ベッツィーは彼に話しかけて来たが、彼女を車から降ろすと、料金を取らずに立ち去るのであった。そしてまた夜の街をさまよい続ける。おしまい!
野口明人
どうだろ。ささっとあらすじ説明したけど、どんな映画かわかった?まぁ、この映画はさ、雰囲気がすごくて、なおかつ音楽も印象的だからさ、あらすじうんぬんよりとにかく実際に観て、肌で感じる系の映画だと思うんだよね。
野口明人
そーだな。『ボーイズ・オン・ザ・ラン』みたいな映画が好きなら、この映画が好きかもしれない。アイアムアヒーローの花沢健吾が書いている漫画が原作でさ、GOING STEADYのボーカルが主演の映画があるんだよね。それもさ、元カノの男に決闘を挑む時に髪の毛をモヒカンにするんだけど、多分この映画の影響を受けていると思うんだ。
野口明人
なんか色々と影響を与えた映画みたいで、この映画のアイリスはさ13歳の時のジョディー・フォスターが演じてて、すげー可愛いんだけど、その少女に本気で恋をしちゃった男がさ、実際にレーガン大統領暗殺を企てて未遂事件で逮捕されちゃうぐらい。
野口明人
ま、しかもこの事件、犯人は後に無罪になってるんだけどね…。2016年に釈放されているし。完全に蛇足だけど。
野口明人
あれだな、興味が湧いたらAmazonのレビューみたり、Wikipediaで調べたりしてみてよ。Wikipediaに関しては、色々と派生した事件やらベトナム戦争のことやらで、すげー情報量だから読むだけでも充分楽しいと思うよ。

…そんな事を『タクシードライバー』についてアブサンでも飲みながら居酒屋で話すと思います。アブサンは太宰治の『人間失格』に出てきたお酒で、人間を狂わせるっていうので、フランスとかじゃ一時期禁止されてたお酒なんだけどね。タクシードライバーの雰囲気に合ってると思う。

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『タクシードライバー』の名言

健康なんて気の持ちようだ。

どんな権力者でも元通りに出来はしない。

『タクシードライバー』のおすすめポイント

野口明人
音楽と雰囲気が非常にマッチしたくらーいくらーい映画だと思う。色々と考えされられた映画でした。

まとめ

すごく個人的な事情ですが、ショックな出来事がありました。それが今でも受け入れられず、このレビューも中々書く気力が湧きませんでした。なので、この映画を観てから結構時間が経っています。

しかし、その分、充分にこの映画の意味を考えて書けたと思っています。映画を観終わった直後の感想は僕自身も、厨二病かぁ…ってな感じでしたので。それでも色々なレビューを読んだり、ブログ読んだり、Wikipediaで調べてから再びこの映画をもう一度観てみると最初に受けたイメージとは全く違った映画に思えてきたのです。

でもまぁ、暗い映画ですね。僕の今の暗い気持ちにはずっしり重くのしかかってきました。

うん。音楽もすごいし。とにかくサックスが耳に残る。映画の雰囲気を一層引き立ててる。

あぁ。人の死とは、あまりに唐突で、哀しみさえ、追いつかないでいるよ。

ではでは『タクシードライバー』でした。

…良かったら、落ち込んでいない時に観てくださいませ。

野口明人
では、最後に『タクシードライバー』の採点…

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タクシードライバー
  • ストーリー - 75%
    75%
  • キャラクター - 85%
    85%
  • 演出 - 80%
    80%
  • 映像 - 75%
    75%
  • 音楽 - 95%
    95%

レビューまとめ

Amazonで評価がすげー高いのもうなずける。この映画の雰囲気半端ない。ただ、今の感覚だけで観ちゃうと厨二病の映画だわこれって感じに思えちゃうかもしれない。時代を切り取った映画なので、時代背景を理解してから観ないといけないのかも。

82%
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レンタルを辞めてわかった事…

このサイトで紹介している映画は基本的にHuluAmazonプライムビデオなどの見放題サービスで見ています。Huluは月額税込みで1,007円。Amazonの方は年額税込み3,900円。TSUTAYAとかで借りるしかなかった僕にとっては、だーいぶお財布に優しくなりました。

まぁ、毎月1000円、年間3900円が安いかどうかは人それぞれですが、とりあえずTSUTAYAとかで借りた場合、その映画がつまらなかった場合でも借りてしまった手前全部見ないともったいない気がしますが、見放題の場合、即ヤメが出来るのが一番のメリットでした。

一本に対してお金を払っているわけではないので、つまらなかったらやめる、気になったらちょっと見てみる、面白かったら何度も後で見返せる。っていうレンタルビデオでは出来ない事が気軽に出来ます。

結果、良い映画に出会える可能性が増え、クソ映画で人生を損するということも少なくなった気がします。もし、HuluやAmazonを使ったことがなければ一度使ってみてくださいませ。きっと分かる人にはわかってもらえるはず…。

あ、Huluについては使わない時はアカウントをホールド出来るのが地味に便利です。僕も忙しい時はホールドにして月額を払わずに過ごした事もありましたので…。まずは1ヶ月ほど使ってみて、あなたの生活に合う合わないを見極めてみてはいかがでしょう。

あぁ、映画だけを観て暮らしたい…。

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ABOUTこの記事をかいた人

四国で歩き遍路中。えもぶれ!で検索!好きな映画は『オーロラの彼方へ』。好きな小説は『十八の夏』。好きなCDは『Return to Forever』。好きな漫画は『惑星のさみだれ』。趣味はロードバイクで日本をぐるぐる。そんなノッポでうずまきな30代。埼玉出身。ブログは今年で9年目!!記事少ないけど。…でも、それぞれ魂込めて書いてきたはず。だから、今日も読んでくれてありがとう!