『西部戦線異状なし』のタイトルの意味を知って部屋で一人…

西部戦線異状なしという映画をご存じでしょうか。1930年に公開されたアメリカの戦争映画なのですが、第3回のアカデミー賞最優秀作品賞を受賞しています。

しかし、実はこの映画で注目すべきなのはそこではありません。

この映画の原作は同じタイトルの『西部戦線異状なし』で、第一次世界大戦で負けたドイツ出身の作家が反戦小説として書いたものです。

当然ドイツ側視点で書かれているのですが、それを敵国だったアメリカ人が映画化している。

しかもその10年もしないうちに第二次世界大戦が起きて再び敵対しているわけですから、その当時の状況を考えるとかなり勇気がいる作品だったと思うのです。

ちなみにあなたは「西部戦線異状なし」と聞いて、どんな内容が思い浮かびますか?

僕自身『西部戦線異状なし』という映画のタイトルは前々から知っていて、第二次ではなく、第一次世界大戦を扱った戦争映画という事で、いつか観ようとDVD・ブルーレイを持っていました。

しかし、まさか映画のタイトルがこんなに重いものだとは思いもしませんでした。

ドイツと戦争といえば、やはり最初に浮かぶのは、第二次世界大戦でヒトラーです。

ヒトラーを扱った映画もあるし、様々な戦争の悲惨さを伝える作品は沢山ありますよね。

それらを観て、戦争はダメだ絶対!…なんてわかったつもりだったのです。

でも『西部戦線異状なし』と言える人間の狂気を知らなかった。

あぁ…。

僕は何もわかっていなかったのです。

『西部戦線異状なし』の重さを。

冒頭からつらつらとぼやいていても仕方がないので、映画『西部戦線異状なし』のレビューをしていくことにしましょう。

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映画『西部戦線異状なし』 – ストーリー

西部戦線異状なし
4.3

公開日:1930年04月21日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画, 戦争映画
監督:ルイス・マイルストン
出演:リュー・エアーズ, ルイス・ウォルハイム, ジョン・レイ

第一次世界大戦中、授業そっちのけで愛国心を説く教師に感化された学生達は我先にとドイツ兵士に志願する。彼らは最初、やる気に満ち溢れていた若者だったが、戦場の砲撃を目の当たりにし我に返る。突然死んでいく級友。誰が得するのかわからない戦争、そこにあるのは生きるか死ぬかだけ。自分が生きるために敵兵を殺す。人を殺してしまった事で夜も眠れず、負傷により故郷に帰っても、嘘でかためられた戦況の温度差で居場所がない。戦場だけは嘘をつかないと若者は再び戦場へ復員していくのだが…

もし、あなたに寿司屋で『西部戦線異状なし』ってどんな映画?あらすじとか評判は?と聞かれたなら…

野口明人
この映画は一言で言えば、“第一次世界大戦の悲惨さをアメリカがドイツ軍側から描いた反戦映画”なんだ。
ちぐのさん
戦争や歴史がからんでいる事って、基本的にはその国によって捉え方が違うし、どうしても自分たちを正当化しがちな内容になってしまうけど、『西部戦線異状なし』は第一次世界大戦で敵国だったドイツをアメリカが出来る限り忠実に作っているらしい。
野口明人
まぁ、ドイツ軍とフランス軍が戦っている場面の映画ではあるんだけどね。
ちぐのさん
僕は最初そういう情報を知らなくて、登場人物が全員英語をしゃべっていたから、ドイツ軍を扱っている映画だってわからなかったんだけどもさ。
野口明人
ドイツ軍人をアメリカ人が演じている映画って事だね。
ちぐのさん
普段観ている映画の感覚だったらドイツ軍はドイツ語を喋らなきゃ変じゃないか!って感じちゃうけど、あれだね、アニメ方式だ。
野口明人
海外の出来事なのにみんな日本語しゃべってるみたいな。
ちぐのさん
これは日本語に聞こえますが、実際は英語で話していますっていう注意書きなくてもわかるじゃん、なんとなくアニメって。
野口明人
逆にアニメで、PSYCHO-PASSってのがあって、劇場版で海外が舞台だからって、日本の声優さんが英語をしゃべって字幕を付けるっていう斬新なものがあったの。
ちぐのさん
でもそれは発音気になりまくりで日本語でええやん!って文句言いたくなったりしてね。
野口明人
それなのに今回の映画では、なんでドイツ人なのに英語やねん!って思っちゃうんだから。勝手なもんだね僕も。
ちぐのさん
…と、話は脱線したけど、つまりはアメリカがドイツを表現するわけだ。
野口明人
ってなるとちょっとアメリカ万歳な感じになっちゃうんじゃないの?って思うけど、そんな事はないのが、この映画の特徴。
ちぐのさん
戦争で敵国だとしても、日本が鬼畜米英って言ってたみたいな蔑んだ表現は見えてこないし、ドイツの若者の苦悩なども汲み取ってる。
野口明人
だからこそ、この映画は反戦映画としてしっかりとしたメッセージを持っていたと思ったんだけど、これさ1930年制作なんだよ。
ちぐのさん
第一次世界大戦が1918年に終わって、その約10年後に作られている。
野口明人
それなのにそのまた10年後には第二次世界大戦が起きちゃう。アメリカとドイツはまたも敵国同士。
ちぐのさん
それを知ってすごく哀しくなった。
野口明人
この映画、美談でもなんでもないんだよ。
ちぐのさん
ひたすら戦争の悲惨さを描いているわけ。
野口明人
いや、悲惨さというか戦争の現状をありのままに映し出している気がするんだよ。
ちぐのさん
この映画の最初に注意書きでこうも言ってる。

This story is neither an accusation nor a confession, and least of all an adventure, for death is not an adventure to those who stand face to face with it. It will try simply to tell of a generation of men who, even though they may have escaped its shells, were destroyed by the war…

(この物語は非難でも懺悔でもなく、ましてや冒険談でもない。なぜなら死に直面した者にとって死は冒険ではないからだ。これはたとえ砲弾から逃れたにしても、戦争によって破滅させられたある時代の男達を描こうとしただけである)

野口明人
この宣言通り、いわゆる死亡フラグなんてものなんてなく、突然登場人物は死んでいくし、BGMもない。
ちぐのさん
聞こえてくる音楽のようなものは兵士たちが歌う軍歌や、銃撃や爆発音だけ。
野口明人
“出来る限り創作はしないから観た人が感じたままに受け取ってくれ”っていう映画だと思うのね。
ちぐのさん
それなのに、第二次世界大戦は起きてしまう…。
野口明人
ぬあああああ!!なんでだよ!!人間なんなんだよ!!
ちぐのさん
この映画観てなんも思わなかったのかよ!何も学ばないのかよ!っていうのが観終わった後の感想だった。
野口明人
10年で哀しさや辛さは消えちゃうのかよ!おーい!と。
ちぐのさん
ルーズベルトはこの映画観なかったのかよ!と。
野口明人
…でもそこで冷静になる。
ちぐのさん
…いやいや、第二次世界大戦が勃発したのはヨーロッパだったしなぁ。
野口明人
第一次世界大戦で学んだし、ヨーロッパの戦争には参戦しないぞって最後までルーズベルト言ってたしなぁ。
ちぐのさん
最初に攻撃したの日本だったしなぁ…。
野口明人
とかモヤモヤ。
ちぐのさん
そしてこの映画の中のセリフを思い出す。

「なぜ彼がやられるんだ、いい奴だぜ」「戦争を始めたフランス人が悪い」「悪いのは他人さ」「どうして戦争が始まる?」「悪い国を攻撃するのさ」「なぜ国が攻撃する?ドイツの山がフランスの原を怒ってるのか?」「人間が人間を攻撃するんだ」

「悪いのはイギリス人かもしれない。だがイギリス人を撃ちたかない。初めて見たんだ。彼らも初めてドイツ人を見たろう。彼らだって戦いたくないんだ」

「きっと彼らが得をするんだ」(誰が得をするという話になる)「皇帝のはずはない。不満がないんだ」「(だから戦線に立って)戦争をしてない」(そして得しているやつが戦線に立ってやるべきだという話になり、将軍や軍需産業の金持ちどもの名があがる)

熱病みたいなもんだ。誰も特に望んでやしない。我々もイギリス人も望んでないのにこうして戦ってる。

野口明人
ちょうど映画始まって半分、1時間ぐらいたった所で兵士たちが川の前で雑談しているシーンなんだけどね。
ちぐのさん
このシーンがやけに頭に残って、病気が流行れば薬が売れる。戦争をやれば武器が売れる。必ず誰かが得をする。だから戦争が始まってしまうんじゃないかと。
野口明人
シンドラーのリスト』を観た時の言葉もふと浮かんできた。
ちぐのさん
「私が今まで成功しなかったのは、何かが足りなかったんだ。何が足りなかったのか、やっとわかった。戦争だ」みたいなセリフを主人公が言ったんだよね。
野口明人
得をして儲けたいという人はどういう人か。
ちぐのさん
奪われるものより奪うものの方が多い人ではないか?足りないから不満が出る。
野口明人
…うーん。でもなぁ。
ちぐのさん
世の中には満ち足りてるのにまだ欲しい人もいるし、足りてないのに不満を持たない人もいるしなぁ…。
野口明人
なんなんだよ、戦争って。
ちぐのさん
とにかく戦争を知らない世代ってのが本当にどれだけ幸せな事なのかを痛感した。
野口明人
そしてこんな事書けるのも戦争を知らないからなんだろうなとも思った。
ちぐのさん
偉そうに戦争反対とか戦争絶対ダメでしょとか軽々しく言えちゃうのは、『西部戦線異状なし』のような時代を体験してないからなのでは。
野口明人
学校で先生が愛国心を説く。戦争に非協力的だと非国民だと言われる。逃げ出すことは卑怯者だと言われる。
ちぐのさん
そういうのを体験してないから気軽に言えてしまう。
野口明人
…うーむ。何を言ってもクッソ偽善者な感じしかしないな。なんだろう。
ちぐのさん
もし、自分がこの時代に生きていて戦争反対と言えたかどうか。国家にたてついて戦争は絶対にダメだ!と言えたかどうか。
野口明人
ニュースを観て他の国の戦争の状況などを聞いたりして、どこか遠くの別の世界の話のように思えてしまう僕は一体なんなんだろう。
ちぐのさん
とかまぁ、色々考えたわけだ。
野口明人
戦争というものをイメージでしか捉えてなくて。
ちぐのさん
戦争に向かった若者達は意を決してお国のために命を捨てることも怖くなかったんだとか。
野口明人
勇敢に戦ったんだとか。
ちぐのさん
勝手な想像だけで戦争を体験した人達を捉えてしまって、自分にはそんな国のために戦うなんて考えられないし、死にたくないから、戦争はダメだとか考えている。
野口明人
でも、前にロバート・デ・ニーロが出てる『タクシードライバー』という映画を観た時もそうだった。
ちぐのさん
硫黄島からの手紙』とか、『プライベート・ライアン』の戦争映画を観た時もそう。
野口明人
さらには零戦に載っていった若者の母親への手紙などを博物館で見た時も。
ちぐのさん
戦争に行って死んでいった人達も、恐怖を感じていたし、死にたくなかったし、弱音も吐いてたし、戦争に矛盾を感じていたし、何のために戦っているのかわからないでいた人もいたんだよね。
野口明人
なんか勝手に英雄視してしまっているけど。
ちぐのさん
「自分はそんな英雄にならなくていいから死にたくない」なんて考えで戦争嫌だって言ってる自分。
野口明人
違うんだよな。みんな英雄になりたくて戦争に行ってたんじゃないんだよな。
ちぐのさん
秀吉とかみたいに天下取ったるわ!なんて考えて戦場にいる人が全てではない。
野口明人
もちろん、そういう人もいただろうけど、全部をそういう人だったと戦争を教科書の中の出来事で、画一的に捉えちゃいけないんだよなと思う。
ちぐのさん
まさにそういう事を考えさせられるこの映画のあらすじ。そういうストーリー展開。白黒映画。
野口明人
「君達は小説家になりたい人もいるだろう。そいつが悲劇を書いてヒットするかもしれない。でも先生は君達が自ら手を挙げて英雄になって欲しい!」
ちぐのさん
と学校の先生が焚き付けるわけ。
野口明人
君達が手を挙げればこんな授業なんて受けなくていいんだよ?ってな感じで。
ちぐのさん
ひゃっほーい!と大学の卒業式に帽子を投げるごとく、持ってたプリントとかを空に投げて、クラスみんなで教室を飛び出す。
野口明人
中には震えている若者もいたけど、みんながお前も一緒に行こう!と誘うから、嫌だとも言えない。
ちぐのさん
んで、実際に訓練所に行ってみたら、今までペコペコと郵便配達をやっていた男が教官になっていて、偉そうに指揮をとっている。
野口明人
俺はお前たちより位が上だから俺の言う事を聞け!なんて言ってね。
ちぐのさん
しぶしぶ命令を聞いて、厳しい訓練を我慢してこなしていたけど、やっぱりそこは学生ノリ。
野口明人
おい、あいつムカつくからやっちゃおうぜと、酔っ払った郵便配達員教官を袋たたきにしちゃう。
ちぐのさん
すっきりしたぜーと喜ぶ若者。
野口明人
俺らが戦場に行ったら沢山ぶち殺してやる!英雄になるんだ!なんてアゲアゲでね。
ちぐのさん
しかし、ふと目が覚める瞬間が来る。
野口明人
フランスとの戦いで西部戦線に送られ、砲撃の音を聞いた時。
ちぐのさん
あぁ。これは遊びじゃないんだと。我に返る。
野口明人
日常に銃声が聞こえ、爆弾が飛び交う中、生活しなければならない。
ちぐのさん
生きるか死ぬかの二択しかなかった。英雄になるかどうかなんて選択肢はない。
野口明人
普通に10秒前まで会話していたあいつが、なんてことなく爆弾で吹っ飛んだり、夜中に鉄線をひくだけの簡単なお仕事です的なノリで行ったのに、親友が撃たれて死んだり。
ちぐのさん
一般人の食べ物はすべて軍人に回されているから、兵隊なら食事に困る事はないと町では言われていたのに、実際の戦場では壕にこもりっぱなしで補給もしてくれない。
野口明人
食べ物だって自分でなんとか見つけなければならない。
ちぐのさん
大量に湧き出てくるねずみと格闘し、体に寄生するノミやシラミと戦わなければならない。
野口明人
爆弾の音は鳴り止まず壕が崩れる事もある。
ちぐのさん
精神も疲弊し頭もおかしくなる。
野口明人
負傷して足を切り落とすことだってある。
ちぐのさん
なくなった足のはずなのに足の指が全部痛む。
野口明人
足がなくなったヤツからいいブーツだと靴をもらうヤツもいる。
ちぐのさん
偉そうにえばっていたやつだって、戦場で突進せず穴に隠れて震えている姿だってみる。
野口明人
前線では毎日毎晩負けている。
ちぐのさん
3年も4年も。生きるか死ぬか。いつも死が迫ってる。
野口明人
どうみたって敗戦寸前なのに、戦場に立っていない人間は地図上で確認し、沢山の人が命を落としていたとしても『西部戦線異状なし』と言う。
ちぐのさん
人の死は異常ではない。報告すべき件なし。
野口明人
「口で言うのはやさしい」そのセリフが頭から離れない。
ちぐのさん
僕が言った事もきっとそういう事なのかもしれない。
野口明人
戦争反対、戦争は絶対にダメだ。そんな事みんなわかってる。
ちぐのさん
戦争反対と言う事は戦争を止める事よりやさしい。
野口明人
この映画の若者たちは戦場で砲撃の音を聞いた時に一瞬で目が覚めた。
ちぐのさん
僕らには本当の砲撃がない。この映画のようなメッセージで胸を撃ち抜いてくる砲撃があっても第二次世界大戦が起きてしまった。
野口明人
目が覚めない。
ちぐのさん
あぁ。わからない。本当にわからない。
野口明人
とりあえず僕は戦争反対!と口で言うよりも、平和は素晴らしいと噛みしめることから始めようと思う。
ちぐのさん
反対されるとやりたくなってしまう人もいるだろうし。
野口明人
本当に素晴らしいものは押し付けなくてもやりたくなる。
ちぐのさん
自分は平和な素晴らしい世界に生きている。
野口明人
まぁ、ひたすら頭を抱える映画だったけど、興味が湧いたら調べたりしてみてよ。
ちぐのさん
原作の小説の写しをナチス・ドイツに戦場ルポとして送ったらよく出来た戦場ルポだと信じちゃったぐらい当時のドイツ軍の雰囲気を正確に伝えているとレビューに書いてあったので、いつか読んでみたい。

…そんな事を『西部戦線異状なし』についておしぼりを握りしめながら寿司屋で話すと思います。

『西部戦線異状なし』の名言・心をざわつかせた言葉

この物語は非難でも懺悔でもなく、ましてや冒険談でもない。なぜなら死に直面した者にとって死は冒険ではないからだ。

お前らを兵隊にしてやる。お前らは誤った考えを持ってる。それを直してやる。まず今までに知った事を全部忘れろ。習った事を全部忘れろ。何になろうとしたかを忘れろ。お前らは兵隊になるんだ!

「死んだんだ。死んだんだ」「お前も死ぬとこだった」「だってベームだ。親友だ」「誰だろうと死体だ。二度とするなよ」

悪いのはイギリス人かもしれない。だがイギリス人を撃ちたかない。初めて見たんだ。彼らも初めてドイツ人を見たろう。彼らだって戦いたくないんだ。

大戦争が起こったら野っ原に囲いを作って、そこに王様を全部集合させて閣僚と将軍も集めてパンツ一枚で棍棒の殴り合いをさせる。勝負が早い。

彼が死ぬのを見た。生まれて初めてだ。それから外に出て、こう思った。生きてるのはいいものだ。足が速くなった。そして不思議な事を考えた。野原で遊んだ事。そんな事だ。分かるだろ?女の子だ。地面から電気のようなものが伝わってきた。走る足に力が入って兵隊が叫ぶ声が聞こえた。かまわず走った。息ができないほど走った。腹がへった。

学校で教える事なんか聞けない。砲火を3年浴びた後だ。気持ちが落ち着かない。

ここでは敬礼はしない。いいか。これから町を攻撃する。前回は大勢死んだ。今回はお前が一緒だ。弾を受けたらお前のとこに行って敬礼して死ぬ許可をもらうよ。

ぼくを責めないでくれ。殺す気はなかった。本気だよ。今だったら殺せない。さっきは敵だった。怖かったんだ。同じ人間の君を殺した。許してくれ。許すと言ってくれ。いや、君は死んだ。ぼくより運がいい。もう苦しまないでいいんだ。我々はなぜ戦うんだ。我々は生きたい。なぜ戦わねばならない。銃と軍服を捨てれば君はぼくの兄弟になれる。ぼくを許してくれ。何でもする。君の両親に手紙を書く。奥さんに手紙を書く。約束する。何でもする。君の一家を助ける。ぼくを許してくれ。許してくれ。許してくれ…。

足を返して!返してくれ!死んでやる!生きたくない!

戦争はここで見るのとは違います。

「何も話す事はない。我々は壕で暮らして殺されまいと努めてる。時には殺される。それだけだ。これが事実です!」「だがそれが戦争ではない」「先生は昔も同じ事を言った。また若い英雄を作ろうとしてる。祖国に殉ずる事を美しいと思ってる。我々もそう思ったが、最初の砲撃で目がさめた。戦死は汚くて苦しい。国のためになど死んではいけない!何百万人が国のためにむだに死んでる!先生は彼らを行かせたんだ。君達に死ねと言う。だが死ねと言うのは死ぬ事よりやさしい」

『西部戦線異状なし』で心に残ったシーン・実況

  • 0:08:45頃
    この目を見開いた顔がしばらく頭から離れなそうだ…。
  • 0:27:50頃
    ブタまるごとだ。なんと鮮やかなかっぱらい方。
  • 0:35:25頃
    本当に一瞬だった…。一瞬で目が見えなくなってしまった。
  • 0:40:50頃
    狂気の時間…。気がおかしくなるだろうな…。
  • 0:46:30頃
    この映画BGMないのに、爆弾の音だけで成り立ってしまっている…。恐ろしい。
  • 0:48:00頃
    手だけ…。手だけが…。
  • 1:01:30頃
    右足のどの指も痛むんだというシーン…。これを平然と正論を伝える人間とかばう人間と。あぁ…。
  • 1:02:40頃
    こ、こいつ…。正論だからといってこうも人の気持ちを考えずズケズケと言いやがって。絶対に友達になれない。あぁ!もう!!
  • 1:17:40頃
    色々と衝撃すぎて、麻痺してきた。お墓の穴に遺骨をどけてでもミサイルを避けなければならない。生きる為には死者がどうだとか言ってられない。
  • 1:54:30頃
    何言ってんだこのじじい…あんたは何もわかってない…。事実は言えないけどな。っていうなんとも言えない顔がすごく印象的だ。
  • 1:56:20頃
    最初に目を見開いていた顔が、こんなにも変わってしまうのか。
  • 2:04:30頃
    久しぶりの再会も、戦争は待ってはくれない。
  • 2:07:50頃
    あぁぁああ…。なんでだよー!!!なんでなんだよ!!あぁ…。

『西部戦線異状なし』は↓こんな作品や世界観が好きなあなたにおすすめ。この映画を観ている時にパッと思い浮かんだ映画・小説・漫画・アニメ・テレビドラマ、または音楽など

プライベート・ライアン
4.5

公開日:1998年07月24日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画, 戦争映画
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:トム・ハンクス, マット・デイモン, トム・サイズモア

オススメ大好きちぐのさん
『プライベート・ライアン』の最初の20分間の凄惨さが頭から離れません。

『西部戦線異状なし』のような映画が好きなあなたに、ぜひ次に観て欲しい映画はズバリ…

硫黄島からの手紙
4.1

公開日:2006年12月09日
ジャンル:アクション映画, 冒険映画, ヒューマンドラマ映画, 歴史映画, 戦争映画
監督:クリント・イーストウッド
出演:渡辺謙, 二宮和也, 伊原剛志

野口明人
今回はアメリカがドイツ側から制作した映画でしたが、『硫黄島からの手紙』は第2次世界大戦のガチ敵国だった日本をアメリカが制作したものです。洋画ですが全編日本語です。などなど今回の映画に似ている所あるかなぁ…と思って選びました。戦争を題材にした映画はこれ一本!というオススメを選ぶのが難しい…

映画『西部戦線異状なし』 – まとめ

戦争映画を観るといつも自分の無知さ、無力さを思い知ってしまいます。

自分はこんな考えでいいのだろうか。なんでこんな事しか考えられないんだ。恵まれているはずなのに、もっと命を燃やして時間を大切に生きなきゃダメだろ!と。

そしてどうしても意見の押しつけがましいレビューになってしまいます。

薄っぺらい意見のようなレビューになります。

誰でもそんな事言ってるだろうと。誰もが言ってるけど、やっぱり戦争なくならねーじゃねーかと。

なにか、根本的な考え違いをしているのかもしれません。

どうやったら平和な地球が誕生するんだろう。どこの国も争わず、決して人から奪わず、人から奪われず、人を憎まず、人から憎まれず。何年もずーっと考えていますが、明確な答えが生まれません。

平和って素晴らしいなぁとニッコリ笑っている事は、笑えない生活を送っている人からみたら、この野郎!なんでこっちはこんなに大変なのにあいつは笑ってられるんだ!と思うかもしれない。

難しい。本当に難しい。

僕が生きている間に、なんとか一人でも多くの人が幸せを心で感じながら生活出来る考え方を見つけて、誰かに伝えられたらと思います。

もっともっともっと沢山の考えに触れなければ。そのためにももっと沢山映画を観よう。

ではでは『西部戦線異状なし』でした。


西部戦線異状なし - 感想・評価

西部戦線異状なし
4.3

公開日:1930年04月21日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画, 戦争映画
監督:ルイス・マイルストン
出演:リュー・エアーズ, ルイス・ウォルハイム, ジョン・レイ

西部戦線異状なし
  • ストーリー - 94%
    94%
  • キャラクター - 98%
    98%
  • 演出 - 92%
    92%
  • 映像 - 88%
    88%
  • 音楽 - 84%
    84%
91%

映画レビューまとめ

音楽に関しては、BGMがほぼないので採点出来ず…と思いましたが銃声や砲撃の音などで評価しました。ストーリー、演出はほぼ満点をつけても良いと思いますが、個人的には最後の所がちょっと創作感が滲んでしまってこの映画には蛇足かなぁ…と思ったので少し下げました。ただすごーく有名なシーンらしいので僕の感じ方が特殊なのかも。

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