『情婦』知らない事が幸せだという言葉はこの映画の為にある

情婦という映画をご存じでしょうか?知らないというあなたは本当に幸せ者です。この映画をまっさらな状態で観ることが出来るというあなたに嫉妬さえしてしまうかもしれません。

それほど『情婦』という映画はタイトルに見合わず、なんと…。なんと。なんと面白い映画だったことか!

ビリー・ワイルダーというオーストリア出身でアメリカ合衆国に亡命した映画監督が1958年にアガサ・クリスティー原作の『検察側の証人』という短編小説を映画化したのが『情婦』なのですが、アガサ・クリスティーも自分の原作が映画化された作品の中で一番のお気に入りなのだそう。

こんなにラストで驚かされる映画だとは知りませんでした。タイトルに騙されずにまずはみてください。モノクロ映画ですが、この映画、最高のミステリーです!ネタバレした瞬間にこの映画の輝きが一気に失せるので今日はネタバレ厳禁で映画『情婦』をレビューしていきます。

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映画『情婦』 – ストーリー

情婦
4.3

公開日:1958年02月06日
ジャンル:犯罪映画, ヒューマンドラマ映画, ミステリー映画
監督:ビリー・ワイルダー
出演:タイロン・パワー, チャールズ・ロートン, マレーネ・ディートリヒ

完全な負け試合とわかる未亡人殺しの容疑者の依頼を引き受けた弁護士の主人公。裁判が開廷した後もほぼ有罪が確定してしまっているという不利な状況は変わらない。そんな状況を一本の電話が劇的に変えることになる…。

ネタバレ注意『情婦』のあらすじまとめ

え?こいつ本当に主人公?と思えるぐらいデブで口が悪い老弁護士ウィルフリッド卿。彼は重病から復帰し、口うるさいおしゃべりな看護婦(師)ミス・プリムソルの付添が条件で事務所へ戻った。安静にしていなければならないウィルフリッド卿だが、彼の元に仕事の依頼が舞い込んでくる。

未亡人殺しの容疑がかかっているレナード・ヴォールを弁護してくれないかという依頼だ。話を聞く限りではアリバイを証明できる人間は容疑者の妻、クリスチーネしかおらず、状況証拠からみてもレナードが犯人としかみえないかなり不利な状況。状況をすべて聴き終る頃、警察が到着し、レナードは逮捕されてしまう。

とりあえず、情報を集めなければならない唯一のアリバイ証言をしているクリスチーネの元へ話を聞きに行こうとしたウィルフリッド卿だったが、クリスチーネの方からウィルフリッド卿の事務所を訪ねてきた。話を聞く限りでは、どうも怪しい。この夫人の証言では依頼人のレナードが貶められてしまいそうなので、ウィルフリッド卿はクリスチーネを証言台に立たせずに弁護することを決意する。

裁判の日。すべてがレナードの不利に進む状況であったがウィルフリッド卿の機転の利いた弁護で、決定的有罪にはならない。なんとか凌いでいたウィルフリッド卿だったが、検察側から証言人として呼ばれたクリスチーネの登場、そしてレナードを貶める嘘の証言によりレナードの有罪は確定的になってしまった。

完全なる敗北を味わいつつあったウィルフリッド卿の元に一通の電話が入る。藁をもつかむ気持ちで向かった電話の主の居場所で手に入れたものの存在により、裁判はまた荒々しく動き出すことになる。

『情婦』のおすすめポイント

野口明人
白黒映画という変な先入観があったが、今の映画でも充分通用するほどのエンターテイメント。映画館で観れたとしたら興奮冷めやらぬ状況だったに違いない。白黒映画だからこそ出来たストーリーと言っても過言ではないと思う。

この映画は知らないからこそ楽しめる作品です。絶対にネットで結末を調べないでください

あらすじを書きましたが、ネタバレになりそうなことは絶対に端折って書いたので安心してください。出来ればWikipediaも観ないほうがいいです。

ただ、この映画の結末どうしても言いたいんだよな。映画観終わった後に、この結末は他言しないでくださいというテロップが出るぐらいなんだが、結末で主人公のウィルフリッド卿が行った行為が意外と知られていない事なので言いたい…。

くそう。我慢我慢。

とりあえず、Amazonのレビューもネタバレ含んでいるんで読まないでください。

この映画、タイトルが「情婦」だなんてちょっとエロチックなタイトルですが、アガサ・クリスティの「検察側の証人」というのが原作の本格ミステリーです。ミステリーってこんなにもすごいんだ!って感心できるぐらいの出来でした。

それと、主人公のウィルフリッド卿と口うるさい看護婦のミス・プリムソルは実際の夫婦みたいで、結構いい感じのコンビネーションです。

考えてみれば、モノクロ映画をこのサイトでいくつかレビューしましたが、モノクロ映画はすべて当たりの作品の気がする。やっぱり昔の映画で今でも名前が挙がるような映画ってそれなりに理由があるんだってわかりました。

この映画は本当に娯楽映画として最高でした。

映画『情婦』 – まとめ

今から何も調べず、黙ってこの作品をすぐに観てください。この物語の結末を知らないという事がどれだけ幸せなことかを知ることになります。それぐらいこの映画のラストの一瞬は楽しい瞬間です。知ってしまってはもう二度とあの驚きは味わえません。なので絶対に調べずに観てくださいませ。

情婦』は間違いなく名作。

ではでは。

…あ、ちなみにクリスチーネ役のマレーネ・ディートリッヒは100万ドルの保険をかけた脚線美の持ち主だそうで、本作でも脚線美を披露しております。伝説として話は聞いていたが、本当に100万ドルの保険をかけた脚の持ち主がいるとは。


情婦 - 感想・評価

情婦
4.3

公開日:1958年02月06日
ジャンル:犯罪映画, ヒューマンドラマ映画, ミステリー映画
監督:ビリー・ワイルダー
出演:タイロン・パワー, チャールズ・ロートン, マレーネ・ディートリヒ

情婦
  • ストーリー - 95%
    95%
  • キャラクター - 95%
    95%
  • 演出 - 100%
    100%
  • 映像 - 70%
    70%
  • 音楽 - 70%
    70%
86%

映画レビューまとめ

この映画のラストには本当に驚かされた。そして主人公の眼鏡の光は最高でした。

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