『ボーン・アルティメイタム』尻上がりに面白くなるシリーズ

ボーン・アルティメイタムという映画をご存じでしょうか?2007年公開のサスペンス・アクション映画です。

2002年から始まった映画ボーン・シリーズの第三弾。とりあえずまだ続編はありますが、話的にはこの第三弾で一旦完結したと言ってもいいと思います。

監督は前作から引き続きポール・グリーングラス。第四弾は今まで脚本をしていたトニー・ギルロイに監督が変わるのでそういう面でもいったん完結です。

ちなみに、これは実体験から言える事ですが、ヒットした映画は尻すぼみになるものが多い気がします。

人気が出ちゃったから辞められず、とりあえず作れば売れるだろう的な。

しかし、そんな中で尻上がりに面白くなっていくのが、映画『ボーン・アルティメイタム』です。

マジでこの映画、面白かった!アカデミー賞では編集賞、録音賞、音響効果賞を受賞しております。まさにそんな感じの映画なのです。

…という事で、早速レビューしていくことにしましょう。

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映画『ボーン・アルティメイタム』 – ストーリー

ボーン・アルティメイタム
4.4

公開日:2007年08月03日
ジャンル:アクション映画, ミステリー映画, スリラー映画
監督:ポール・グリーングラス
出演:マット・デイモン, エドガー・ラミレス, ジョアン・アレン

ある記者が、人間兵器を生み出すというCIAの秘密の計画「トレッドストーン作戦」を明るみに出そうとしていた。第一被験者であり記憶喪失の男ボーンはこの記者に接触を試みるがCIAは記者を暗殺する。死亡する前にボーンが聞いたのはブラック・ブライヤー作戦という新たな言葉。記憶を取り戻しつつ、自分の行いを恥じていたボーンはCIAに追いかけられながらも全ての真相を明らかにし、終わらせようと走り回る…

もし、あなたにうどん屋で『ボーン・アルティメイタム』ってどんな映画?あらすじは?と聞かれたなら…

野口明人
この映画は一言で言えば、“第一弾第二弾が前座と思えてしまう程完成されたサスペンス・アクション映画”なんだ。
野口明人
特に第二弾の『ボーン・スプレマシー』は監督が一緒なのもあって、まさに伏線の張り方があっぱれだった。
野口明人
野口明人
いやー、まさかあれが伏線だったとは…って感じだね。
野口明人
第一弾の『ボーン・アイデンティティー』について僕は“ほどよいサスペンスを含んだアクション映画”って評価したし、第二弾は“前回よりアクション2割増、サスペンス2割減の映画”って評価した。
野口明人
そして今回の『ボーン・アルティメイタム』を言うなら、まさにサスペンス・アクション映画!どっちかに偏ることのない、バランスのいい映画だな。
野口明人
過去の作品はサスペンスがあくまでもアクションの味付けのようなものだった感じで、若干ストーリー弱めかなぁ…でもアクションが爽快で、観ていて笑っちゃう程すげーからいいか!って思ってたけど、今回はストーリーも秀逸。
野口明人
本当に上手いサスペンスは伏線を伏線だと思わせない事なんだなって思った。
野口明人
あんまり詳しく話をしちゃうとネタバレになっちゃって楽しめないからあれなんだが、この映画を観る事で第二弾の『ボーン・スプレマシー』も評価が変わると思う。
野口明人
ボーン・シリーズは媒体的には“映画”という事なんで、一本一本独立している必要があるし、どの作品から観始めてもそれだけで楽しめるのが大前提だと思うんだけど、大抵の映画って、それらが独立しすぎちゃって名前が似ているだけの似て非なるものってのが多いでしょ?
野口明人
ヒットした映画の続編が大ゴケするって感じで。
野口明人
でもこのシリーズは、まさに最初っから一本の長編映画を作ってそれを3つに分けたってぐらい統一感がありつつ、ぶった切った所だけ観ても(理解出来るかどうかは別として)楽しめる上に、ひとつひとつの映画がちゃんと役割を持っているというね。
野口明人
起承転結的な。
野口明人
三作品だから序破急かな。まさに序が『ボーン・アイデンティティー』で観客を世界観にグッと引き込み、破の『ボーン・スプレマシー』で雰囲気を一変、ヒロイン死亡で主人公激おこぷんぷん丸、逃げるというより仕掛ける側に回る。
野口明人
そして急の『ボーン・アルティメイタム』でたたみ掛ける。今まではすべてこのためにあったんだぜ!っていうね。僕ら、大満足。
野口明人
もちろん、今回もド派手なアクションシーンは健在です。というかパワーアップしてます。
野口明人
独特なカメラワークも健在。一体何を観ているのかわからなくなるぐらいグワングワン揺れる。
野口明人
多分、人によっては気持ち悪さを覚えてしまうぐらいグワングワン揺れる。それを臨場感と捉えれば良さになるだろうし、粗雑さと捉えれば悪さになるだろうから、このアクションシーンは好き嫌いが出ると思う。
野口明人
しかも今回のアクションシーンは、街中を利用したかけっこ。
野口明人
スティーブン・スピルバーグ監督の『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』を思い出したね。
野口明人
あれはアニメーションだからこそ出来るアクション!なんて事を過去にこのブログでも書いたんだけど、まさか実写で出来てしまうとは。
野口明人
屋根の上から家の中まで関係なく走り回り、洗濯物を利用したり、その場にある本などを武器にしたり…。
野口明人
CG無しのカーアクションもついにはバイクまで持ち出して所狭せしと駆けまわる。
野口明人
そして僕は思ったね。車のリア部分というのは武器なのだと。
野口明人
前進で突っ込んでいってしまうと車が壊れてしまうが、バックで突っ込んで行けば、後ろは大抵荷物を積むためのスペースでエンジンなどの大切な部品は使われていないから破損しても車は走ると。
野口明人
ひたすらバックで敵をぶっ倒していくボーンに笑ってしまった。
野口明人
しかもかなりの高さから落ちてもシートベルトを掴んでいるだけで大丈夫っていうシートベルトに絶対の信頼を寄せるボーンはまさに最強戦士だった。
野口明人
んで、前作からちょこっと気がついた事なんだが、暗殺者として育てられたボーンだけど、絶対銃では人を撃たないっていうね。敵を倒す時は肉弾戦のみ。
野口明人
敵はバンバン銃を使って殺しまくるけど、ボーンは構えるだけで撃たない。
野口明人
それがこのシリーズを通してのボーンの変化なのかもしれない。暗殺者としての自分に疑問を持ち、亡き恋人のマリーの想いを体現しているんだろうな。
野口明人
もちろん、あれだよ。第三作品目までなってくると同じ内容な感じがして飽きてくるっていうのもあると思う。
野口明人
敵多すぎるだろ!とか。ちょっと謎な部分が多くなってきて意味がわからなくなるとか。なぜ毎回ボーンは追いかけるのかとか。
野口明人
もうとりあえず理由関係なく追っかけて逃げてのアクションあればいいんじゃね?的な雰囲気を感じ取れちゃったりだとか。
野口明人
でも、それを差し引いてもこの三作品は尻上がりに面白くなってたと思うなー。
野口明人
前回のいい所を更に工夫して面白くさせてたり、見せ方を変えたりね。
野口明人
まぁ、あえて評価されているのに僕にはわからなかったっていう部分は音楽かなぁ…。あまりに自然すぎて映画を観終わった後に耳に何も残らなかったからなぁ。
野口明人
それぐらいであんまり欠点という欠点はないと思うな。特にこの第三弾は本当に良いシナリオとアクション、演出だと思う。
野口明人
だいぶ映画と内容が違うみたいなんだが原作も読んでみたいな。電子書籍で出てれば即買いしたんだけど、出てないんだよね…。
野口明人
しかもさ、原作者のロバート・ラドラムはもう亡くなちゃったんだけど、その亡くなり方も若干の謎を残しているみたいでまさにスパイ小説作家!って感じだよね。CIAに消されたか…(笑)
野口明人
うーん、そうだな。似てる映画で検索してみたけど『007』が出てきた。
野口明人
僕はあんまり観たことないからオススメなのかどうかはわからないけど、ジェイソン・ボーンとジェームズ・ボンド、J.Bで同じイニシャルがなんたら。意図的にしたとかしないとか。
野口明人
ま、あれだ。話にも出したけど『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』を観た事なかったら、アクションシーンを見比べてみても面白いと思うよ。実写とアニメーションと違う土俵なのに、かなりいい勝負しているから。
野口明人
僕は音楽がなぁーとか言ったけど、この作品、アカデミー賞で録音賞と音響効果賞とってるから。いかに僕の耳がクソ耳だって事がわかるよね!

…そんな事を『ボーン・アルティメイタム』について冷ぶっかけでもすすりながらうどん屋で話すと思います。

『ボーン・アルティメイタム』の名言

物事はどこから見るかで違ってくる

自分のしたことを謝りたい。何て人間だ。謝っても遅いが。

あなたに殉職の栄誉は与えない。

君はなぜ俺を殺す?自分を見ろ。人間と言えるか?

『ボーン・アルティメイタム』のおすすめポイント

・完結編にふさわしい爽やかな締めくくりと、前作を利用した演出の良さは必見!まさか、あのシーンがこんな感じの使われ方をするとは…。

映画『ボーン・アルティメイタム』 – まとめ

さて、Amazonプライムビデオの無料期間が終わってしまうという事で観始めたボーン・シリーズですが、なんとか観終わりました。もしこういう機会に出会わなければ、作品の名前ですら知らなかったかもしれないので、感謝です。

今回思ったのは、僕は本当に映画を観てこなかったんだなぁっていう事と、毎日映画を観ないと本当にもったいないということ。

中には駄作もあるかもしれませんが、それらも含めて、自分の人生に吸収しておきたい映画がいっぱいありすぎて、消化しきれません。

1日は24時間。どうやっても増やせないし、映画はその性質上どうやっても観るためにはフィルム分の時間を費やさなければならない。ショートカットも出来ないのです。

とにかく僕がやらなければならないのはインプット、インプット、インプット。今まで映画を観てこなかった分、映画を沢山見てきた人よりも多くの感動を損してきた気がします。

ああ。自分はこんなに素晴らしい映画を知らずに生きてきたんだな。そう思わせてくれるボーン・シリーズでした。

映画、ドラマ、舞台、小説、漫画、アニメ…etc。世の中に“ストーリー”を語る媒体は沢山ありますが、映画はその中でも短時間でギュッと凝縮したストーリーを楽しめる。ストーリーを沢山頭に入れれば、きっと何かに役に立つはず。

そう思って今日からも映画を観続けます。

ではでは『ボーン・アルティメイタム』でした。

あー面白かった。


ボーン・アルティメイタム - 感想・評価

ボーン・アルティメイタム
4.4

公開日:2007年08月03日
ジャンル:アクション映画, ミステリー映画, スリラー映画
監督:ポール・グリーングラス
出演:マット・デイモン, エドガー・ラミレス, ジョアン・アレン

ボーン・アルティメイタム
  • ストーリー - 80%
    80%
  • キャラクター - 85%
    85%
  • 演出 - 95%
    95%
  • 映像 - 90%
    90%
  • 音楽 - 50%
    50%
80%

映画レビューまとめ

前作、前々作よりも音楽を抜いて全体的に点数が上がっております。同じシリーズを三本観るのはちょっと…というあなたもぜひ二本目まで観たら絶対にこの三本目まで手を伸ばしてくださいませ。観終わった後に部屋で、うんうん、と縦に首を振っているに違いありません。

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