『トロイ』を観て人間の愚かさと醜さを知った。戦争怖すぎ…

トロイという映画をご存じでしょうか?2004年に公開されたブラッド・ピット主演のアメリカ映画なのですが、題材はトロイア戦争です。

トロイの木馬という言葉をどこかしらで聞いたことがあるかもしれませんが、そのもととなった戦争であるトロイア戦争。

この戦争にはアキレス腱の元となった英雄アキレスが登場します。まぁ、このアキレスがブラッド・ピットなんですけどね。

ただ、この映画の少し変わっている所は、トロイア戦争に神々が出てこない所。そう。本来ならばトロイア戦争とは神話のお話なのです。

神が戯れに人々をそそのかせて、戦争を起こさせ、神に愛された戦士アキレスが奮闘する。そんなお話が今までの通例でした。

しかし、この映画の監督ウォルフガング・ペーターゼンは、神との関わりをなくし、人間臭いドラマに仕立て上げました。

まぁ、この映画の出来にブラッド・ピット自身は満足しなかったらしいのですが、世界的には大ヒット。

僕もその流れを受けて、その昔、この映画を観て「3時間以上の作品のわりには、飽きずに最後まで面白かったなぁ…」っていう感想を抱きました。

しかし。

今回「昔見た映画を再び観てみようブーム」で再チャレンジしたんですが、最初に観た時の面白さよりも、戦争の残酷さをより強く感じてしまって昔の自分の感受性の幼さを感じたのであります。

だって、赤ちゃん投げちゃうんだぜ…。

戦う兵士達は一突きで殺されたりするのに、逃げ惑う市民は首を縄でくくりつけて外に吊るされちゃうんだぜ…。

それを全く気がつかず、愛だの恋だの意外と面白かったな…なんて思った昔の自分って一体。

さてさて、冒頭にグダグダ語っても仕方がないので、映画『トロイ』についてレビューをしていくことにしましょう。

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映画『トロイ』 – ストーリー

トロイ
4.2

公開日:2004年05月14日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画, 歴史映画
監督:ウォルフガング・ペーターゼン
出演:ブラッド・ピット, エリック・バナ, オーランド・ブルーム

和平がまとまりかけたトロイとスパルタの国だったが、トロイの王子パリスがスパルタの王妃ヘレンと駆け落ちした事で和平は不和になってしまう。そこから始まるトロイア戦争。この戦争のカギを握っていた英雄アキレスは歴史に名を残す事を目的にスパルタ側に付くが、捕虜になったパリスの妹ブリセイスに惹かれていく。愛が戦争を呼び、愛が戦争を左右する。憎しみが憎しみを生み続ける終わらない戦争…。

もし、あなたに駄菓子屋で『トロイ』ってどんな映画?あらすじとか評判は?と聞かれたなら…

野口明人
この映画は一言で言えば、“神話を元に作った人間ドラマな戦争映画”なんだ。
ちぐのさん
ホメロスって人が書いた『イリアス』とか『オデュッセイア』っていう作品が岩波文庫から出てるけど、題材はその話ね。
野口明人
実際トロイア戦争ってのはゼウスが人間増えすぎ!ちょっくら減らすか!っていうおっそろしい事考えて起こさせた戦争なんだけど、それをまぁ神様を排除して人間だけで描写したのが、この映画なわけだね。
ちぐのさん
なんというか、かなりわかりやすくストーリーまとめられているから、3時間っていう長時間映画だけど、すごく観やすいと思う。
野口明人
本当にストーリーは単純。
ちぐのさん
トロイという国とスパルタっていう国が、もう長いこと戦争していて疲弊してきたから、そろそろ和平って事にしない?って話が決まった夜。
野口明人
トロイのパリスっていうイケメンクソ王子がスパルタの王女に手を出しちゃう。
ちぐのさん
そしてスパルタからトロイに王女を連れてきちゃうわけ。
野口明人
スパルタの王様は、マジであいつ何してんの?って怒って、その当時巨大な力を持っていたギリシャ諸国の王で、スパルタ王の兄でもある人と共にトロイつぶしちゃる!ってなるのね。
ちぐのさん
ギリシア王的には弟の怒りなんてどうでもよくて「領地拡大出来る、スパルタ王女いい仕事してるじゃん!」って感じの欲深い人。
野口明人
そんなギリシア王の性格を嫌っていた、その当時の最強戦士アキレス。
ちぐのさん
彼はギリシア王からも嫌われていたんだけど、自分を唯一理解してくれるオデュッセイア王から、歴史に名前を残すならこの戦争に参加しておいていいんじゃない?って説得されてギリシア側につく。
野口明人
アキレスがついた事で戦況は一変、トロイ不利に傾く。
ちぐのさん
神を信じる国トロイは神殿などをぶっ壊され、巫女だったパリスの従妹ブリセイスも捕虜として捕まえられる。
野口明人
気の強いブリセイスに興味を持ったアキレスだったけど、意地の悪いギリシアの王はブリセイスをアキレスから取り上げてしまう。
ちぐのさん
「あーぁ、マジもう戦争とかいいや…。やる気なくなったわ」ってなるアキレス。
野口明人
その頃トロイは壊滅的な被害を受け「このままではいけない。僕が原因なんだから僕がこの戦争に決着を付ける」と言って、イケメンクソ王子のパリスはスパルタ王の一騎打ちを申し込んだ。
ちぐのさん
「これで生き残った方が王妃をもらう。文句ないだろそれで!」ってね。
野口明人
でもさ、イケメンクソ王子、自分の命が危うくなったら逃げちゃったんだよね。
ちぐのさん
あんな情けないやつに俺は姫を取られたのかとスパルタ王は更に激怒。
野口明人
兵士たちみんなが観ている前だったから「落とし前を付けさせろ。パリス王子の命はもらう!」って刀を振り上げた。
ちぐのさん
その瞬間、パリス王子の兄であり、アキレスと互角なほどの武将だったヘクトルは弟の命を守ろうとスパルタ王を殺してしまう。
野口明人
二人の決闘だったのに絶対にそれはやっちゃダメなんだけど、やっぱり弟はかわいいわけだな。
ちぐのさん
それを目の前で観ていたもう片方の兄、ギリシア王は「弟殺されちゃったから、もう決闘なんてどうでもいい!トロイを滅ぼせ!」って一斉攻撃を仕掛ける。
野口明人
でも、アキレスいないから、ギリシアはトロイの鉄壁の守りに苦戦を強いられ、撤退する。
ちぐのさん
「やばー、トロイ舐めてた、やばー。」
野口明人
トロイは前回くっそやられたのに意外と戦えちゃったもんだから、「今がチャンスじゃね?」って追撃するのね。
ちぐのさん
その戦況を観てもアキレスはやる気を出さない。
野口明人
ギリシア王はまわりからの助言でアキレスにブリセイス返してあげるんだけど、アキレスとブリセイスはチュッチュブチュチューって愛し合っちゃって戦争に興味ない。
ちぐのさん
ブリセイスはトロイ側の人間だしね。
野口明人
それを観たアキレスの従弟であり、弟子でもあるパトロクロスは、「一緒に戦ってきた仲間が死んでるのに何してんだよ!俺はお前みたいな人間にはならない!」って言って、アキレスの兜と鎧を来て戦いに行っちゃう。
ちぐのさん
その鎧の姿を見て「アキレス様がやっとやる気になってくれた!」と思ったアキレスの部下達はパトロクロスに付いていってトロイに攻め込む。
野口明人
しかし、そこにはアキレスと双頭の武将であるヘクトルがいる。
ちぐのさん
アキレスと互角なのに、アキレスの弟子であるパトロクロスがかなうはずもなく、パトロクロス撃沈。
野口明人
死んだ後に兜を外すとアキレスじゃないことに敵も味方もびっくり。
ちぐのさん
「ヤバイ。アキレス切れちゃう。アキレス激おこぷんぷん丸になっちゃうよ!」
野口明人
家の中でブリセイスとイチャイチャしていたアキレスだったが、パトロクロスの死を聞くと、案の定、超サイヤ人に変身。
ちぐのさん
ブリセイスが止めるのも聞かず、ヘクトルに決闘を申込に行く。
野口明人
…と、まぁこんな感じでパリスのイケメンクソ王子の情欲ひとつから、憎しみの連鎖が起こるっていうのがこの映画のストーリーなんだ。
ちぐのさん
今の話でだいたい半分くらいかな。
野口明人
まだまだ続くし、かの有名なトロイの木馬も出てくるけど、どちらにせよトロイア戦争によって、憎しみが憎しみを産み、ゼウスの目論見通りどんどん人間が減っていってるよね。
ちぐのさん
この映画、ディレクターズ・カット版を観たんだけど、すげー残酷な描写も付け足されていてさ、観ていて痛々しい。
野口明人
本当に痛々しい。血はぶしゅぶしゅ飛び散るのはもちろんの事、首は平気で吹っ飛ぶし、死体の上を兵士が平気で行進したりする。
ちぐのさん
そういう戦争の生々しい描写ならさ、プライベート・ライアンとか有名所な映画もやっているんだけどさ、この映画で特徴的なのは戦争が戦場だけで終わらないって所なんだよね。
野口明人
あくまでも戦争って兵士と兵士の戦いっていうのが現代の戦争のルールではあるんだけど、古代ギリシアの時代にはそんなルールなんてないから、マジで街ひとつ潰しに行くわけ。
ちぐのさん
家には火を放たれ、女性は陵辱されるし、市民は首をくくられて家の外にぶら下げられる。
野口明人
一番観ていて耐えられなかったのが、泣き叫ぶ赤ちゃんを火の中に放り投げる所…。
ちぐのさん
「うわぁぁ…。マジかよ。なんだよコレ」って感じだった。
野口明人
歴史の教科書とかでさ「○○戦争が起こり、△△が滅びた。」
ちぐのさん
なんて一行で書かれていてそれを暗記するだけの授業だったりしたんだけど、その一行にはこんな事が行われていたわけだよね。
野口明人
うん。あんなん勉強してもそりゃー世界から戦争がなくならないはずだよ。
ちぐのさん
そういう生々しい描写とか説明一切省かれてるもんね。
野口明人
もちろん中学生とか高校生の時にそんなの受け止めろと言われてもキツすぎるんだけど、戦争の酷さとか残酷さってなんとなく他人事じゃん。
ちぐのさん
もうなんとなく過去の事になってるじゃん。
野口明人
もちろんこの映画も作り物で、人が考えたものではあるんだけど、実際戦争でそういう事って行われていると思うんだよ。今も至る所で。
ちぐのさん
そう思うとさ、本当に本当に戦争はダメなんだって思う。みんな仲良くしようよって思う。欲捨てようよーって思う。
野口明人
喧嘩になるぐらいなら、みんなではんぶんこでいいじゃん。
ちぐのさん
相手から奪ったらまた誰かから奪われるしかない。負の連鎖しか起きない。それを伝えてくれていると思うんだ、この映画は。
野口明人
ま、そういう残酷な部分だけじゃなくて、この映画はアキレス腱とかトロイの木馬の由来をわかりやすく表現してくれているっていう点も勉強になるよね。
ちぐのさん
本当にわかりやすくカメラワークで表現してくれるから、アキレスのアキレス腱をカメラで映していたときは笑ってしまうぐらいだったよ。
野口明人
うん。つまりさ何が言いたいかっていうと、パリスのイケメンクソ王子、最低って事だ。
ちぐのさん
役を演じているオーランド・ブルームは好きなんだけど、このパリス王子だけは、もう絶対に許さない。ヘタレで卑怯でウンコなんだ。
野口明人
見事に憎まれキャラだったと思う。
ちぐのさん
パリス王子を観ちゃうと、あんなに憎たらしく表現されているはずのギリシア王が可愛く観えてくるもんね。
野口明人
「うんうん、わかる。お前の悪はわかりやすいから許せるわー」ってなる。
ちぐのさん
パリス王子の自分は何も間違ってませんって感じがもう許せん…。
野口明人
しかし、僕は許します。憎しみは憎しみしか産まないからね。
ちぐのさん
…と、話が右往左往してしまった。
野口明人
Amazonのレビューだとあんまり評価高くないんだけどさ、原作からの創作にしては結構いい感じで作られていると思う。
ちぐのさん
アクションもかっこいいし、CGもすごいし。
野口明人
ストーリーが単純なのは、受け取りやすいと捉えよう。3時間難しい話を捏ねくり回されたら疲れちゃうし。
ちぐのさん
ま、興味が湧いたら調べたりしてみてよ。トロイア戦争について調べてみても面白いよー。

…そんな事を『トロイ』について、きのこの山とたけのこの里が一緒に入っている『きけのこの山里』って言うの出てくれないかな…って考えながら、駄菓子屋で話すと思います。

『トロイ』の名言・心をざわつかせた言葉

一緒に来れば、平安はない。追っ手が来るし神々には呪われる。でも愛してる。この身が燃え尽きるまで君を愛す。

ラリサに留まれば安らぎを得られる。よき伴侶を得て、やがて子供が産まれ孫もできる。家族に愛され死んでも彼らの心に残る。でも家族が死に絶えるとあなたの名は消える。トロイに行けば栄光が手に入るあなたの勝利は何千年も語り継がれあなたの名は世に残る。

パリスは時々愚かになるが、見殺しにするよりは千度でも戦おう。

戦では若者が死に老人が語る。いいな、政治に関わるな。

大事なのは忠義より戦いに勝つ力です。

いいことを教えよう。神殿では教えない。神々はうらやんでる。限りある人の命を。いつ死ぬか分からない。終わりがあるからこそ美しい。美貌もいつかは衰える。“今”は二度とない。

息子を愛していた。目を開けた時から、お前に閉じられるまで。

また二人一緒になれる。この世か次の世で。

『トロイ』で心に残ったシーン・実況

  • 0:07:40頃
    あれ、このシーン、ブラピと女性が普通に裸で寝ているだけかと思ったら、女性二人いるじゃん(笑)やはり猛者はモテるんだな。
  • 0:10:10頃
    あんなデカい大男を瞬殺…。せつねぇ。言葉、「うおぉ!」「うぁ…」しか、しゃべってないぞ。
  • 0:33:25頃
    海、むちゃくちゃ綺麗じゃん!
  • 0:52:30頃
    剣を持ってカメラ目線のブラピ(アキレス)がすごくかっこいい。
  • 0:57:15頃
    持っていた盾を一瞬で背中に背負い、華麗に戦うブラピが、アキレスの無双感をひしひしと感じさせて良い。こりゃ強い。そして結構エグいシーンあるな。
  • 1:12:30頃
    猛者のアキレスと王のアガメムノン、どちらが後世に名を残すか。なかなか見ごたえのあるやり取りだった。アガメムノン、すごい悪い顔だな。
  • 1:40:40頃
    うおぉ!この巨大なおっちゃん、盾さえも貫く怪力じゃん!まじかよ!ただ、倒され方が安易すぎるよ…。でも刺されても動じず敵に立ち向かっていく。弁慶じゃ。こいつは弁慶じゃ。口は悪いけどかっこいい巨人であった。
  • 1:45:20頃
    人がアリのように死んでいる…。一体この戦いで死んだ人は何のために散っていったのか。本当に戦争の理由がこんな私的な理由だったら報われない…。くそう…。パリスのやつめ。くそう。
  • 1:54:25頃
    本当に海が綺麗だなぁ。この映画、海が綺麗なシーンが多い。
  • 2:02:00頃
    なるほど!この炎の矢とお団子転がすやつはこうやって絡むのか!昔の人の戦略って面白いな。
  • 2:07:10頃
    あぁぁぁぁぁぁ…。若さゆえの…。哀しい。泣いてもうた。
  • 2:23:00頃
    怒りに燃えたアキレス、かっこいいし強いな…。ヘクトルとの一騎打ちのアクションすげー。これは見ものだ。ジャンプアタックがかっこいい。
  • 2:49:00頃
    うわぁ…。赤ちゃん投げたよ。戦争怖えぇ…。教科書からじゃ学べない事だわ…。
  • 2:57:00頃
    最後までトロイの王様は王様だった…。このおじいちゃんだけは生き残ってほしかった。
  • 2:59:00頃
    これがアキレス腱の由来か。勉強になるな。トロイの木馬やらアキレス腱やら言葉を知っているけど、その由来知らんもんな。良い演出だな。ただ、このパリス王子は完全に憎まれ役だ…。すげー卑怯で、すげー空気を読まない。国の為なのはわかるんだが、どうしても好きになれないな…。弓使ってるし。

『トロイ』は↓こんな作品や世界観が好きなあなたにおすすめ。この映画を観ている時にパッと思い浮かんだ映画・小説・漫画・アニメ・テレビドラマ、または音楽など

グラディエーター
4.5

公開日:2000年05月05日
ジャンル:アクション映画, 冒険映画, ヒューマンドラマ映画
監督:リドリー・スコット
出演:ラッセル・クロウ, ホアキン・フェニックス, コニー・ニールセン

オススメ大好きちぐのさん
アカデミー賞も受賞した『グラディエーター』のような世界観が好きであれば、楽しめると思います。神様と人間。ローマとギリシアなどなど違いがあるかもしれませんが…

『トロイ』のような映画が好きなあなたに、ぜひ次に観て欲しい映画はズバリ…

ベン・ハー
4.4

公開日:1959年11月18日
ジャンル:冒険映画, ヒューマンドラマ映画, 歴史映画
監督:ウィリアム・ワイラー
出演:チャールトン・ヘストン, ジャック・ホーキンス, スティーヴン・ボイド

野口明人
同じぐらいの長さで古代的なギリシア的な時代背景で神話がらみな映画なら、ぜひ『ベン・ハー』を。こっちは人間のたくましさを知ることが出来ます。かなり面白いので観たことなければ手にとってみてくださいませ。

映画『トロイ』 – まとめ

さてさて、ブラッド・ピットが出ているから…という理由で昔は観てみた映画だったんですが、ただのイケメン・美女俳優を使っている戦争映画というわけではございませぬ。

ところどころショッキングな表現に目を向けてみるといかに人間が愚かであるかがわかる。

いかに人間の欲が醜い結果を産むだけのものかがわかる。

愛だの恋だの扱っていますが、実際クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史も変わっていたとか言われるぐらいですから、人間は本当にどうしようもない理由で戦争をはじめたりするんです。

すべては自分だけが良ければなんでも良いという欲が産み出すもの。

まさにそれを体現しているのがパリスのイケメンクソ王子。

本来ならばラストのシーンでトロイの民から袋たたきにされてもいいのでは?滅びゆく自分たちの国を観て、もっと自分の行いを後悔していいのでは?その苦悩を描いた方がいいのでは?と思うのに、徹底的にそんな姿を描かない。

こいつのせいでこいつのせいでこいつのせいで…。そんな事が何度も頭に浮かんできますが、これが人間。結局ズルいやつは生き残る。

ただ、そういうクソみたいな人間を許さなければならない。こういうやつを否定するとさらなる悲劇を産むだけ。それを教えてくれている映画なのです。

負の連鎖は誰かがどこかで大きな心で許さなければとまらない。

誰かが欲を捨て、大きな器で大きな愛で受け止めなければならない。

それがガンジーだったりするのかなぁ…。

そしてきっとその行動こそが歴史に名を残すという事になる。きっとその姿を見て、知って感化される人がいる。

その人達が多くなっていけば世の中は平和になっていくはず。

欲は人間を成長させていく為に必要なのはわかっていますが、欲を捨てることも人間を進歩させるために必要なのだと僕は思います。同じことを繰り返しているといつか成長がとまる。

たまにはその逆のことも行わなければ…。

…うーん。何が言いたいのかわからなくなったな。

ま、あれですよ。世界中でいまだに戦争が起きていますが、結局誰かが何かを許せなくて起きてしまっていると思うんです。

反戦運動っていうのも戦争が許せなくて行うものでしょう?だからそれを受けて更に戦争が悪化していく。

僕らがやらなければならないのは、許すこと。学ばなければならないのは許すことなんだと思うんです。

何かを憎んでとった行動は更なる憎しみを産む。ニュースを見ても「許さない」というコメントばっかりだしね。

許せない。その気持ちを抑え、許してみようからはじめられたら。きっと歴史はもっと違う方向に行くんだと思います。

ではでは、なんというかこんな感じの気持ちになるはずじゃなかったのにな…と思う『トロイ』でした。

昔はただの愛みたいなものを扱った映画だと思ったのに、僕も色々とものを考えるようになったんだな。これは成長か?頭が硬くなっただけか…?

よければディレクターズ・カット版を見てくださいませ。

あ、昔書いた感想が出てきたので、引用して終わります。

期待せず観た分だけ、かなりの胸アツな映画だった。

ホメロスの叙事詩「イリアス」を下地に、神話としてのトロイア戦争ではなく、人間ドラマとしてのトロイア戦争を描いたというブラッド・ピット主演のトロイを観ました。

全く期待していなかったし、Blu-rayを入れた瞬間に3時間とか表示されたものだから、なんだかなぁ…なんて気乗りせずに観たにも関わらず、最後は前のめりで画面に見入ってました。

Blu-rayの方は、ディレクターズカット版だったみたいで、いわゆる劇場で公開されていなかった部分を付け足された状態での作品だったので、3時間以上にもわたる作品になっていたようです。

それでも、特典でついてきていたウォルフガング・ペーターゼン監督の解説を聞いてみると、ディレクターズカット観ておいてよかったと思いました。え?映画だとこのシーンないの?っていうのばっかりだったので。

この映画、何が面白かったかというと、アキレスという主人公が悪の組織を倒すというわかりやすい構図にはなっておらず、主人公としてアキレスは存在しているけれど、敵軍、味方軍どちらも筋が通っており、善と悪では分けられず、どちらにも感情移入してしまうのです。

いわゆる、ガンダムシステム。アムロとシャア、どちらにも言い分があり、戦わなければならない。

それがね、何とも切ない物語を紡ぎだしていて、歴史戦争映画で人がボロッかすに死ぬシーンがわんさか登場するってのに、人が死ぬことが当たり前なんかではなく、敵だろうが味方だろうが、人が死ぬと哀しい。どちらの国もあっぱれなんです。

まぁ、一人、クソみたいなやつがいましたが。いや、二人いましたが。

それはそれとして、この映画残り30分の所でトロイの木馬が出てくるシーンらへんからが本当に胸アツで面白い。

この30分の為の前フリだったんじゃないかって思ってしまうぐらい、ラスト30分の詰め込み方が素晴らしいです。

現在でも、この映画で使われた巨大トロイの木馬は海外のどこかに行けば観れるらしいので、一度は観てみたいかな。

下地になったイリアスという本は持ってはいるんですが、読んでなかったので、かなり改変されているらしいんですが、読んでみたくなりました。

それと、この戦争のきっかけになったエレン役のダイアン・クルーガー、本当に綺麗っす。でも、アキレスを魅了したブリセイス役のローズ・バーン、すごく魅力的だったなぁ。

なんか、映画って期待せずに観るといい作品だったってことが多いなぁ。

…出来れば、この映画も期待せずに観てください。最後の感動の為に。

ではでは。

…同じ映画なのにこうも感じ方が違うとは。自分って一体。


トロイ - 感想・評価

トロイ
4.2

公開日:2004年05月14日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画, 歴史映画
監督:ウォルフガング・ペーターゼン
出演:ブラッド・ピット, エリック・バナ, オーランド・ブルーム

トロイ
  • ストーリー - 66%
    66%
  • キャラクター - 71%
    71%
  • 演出 - 76%
    76%
  • 映像 - 86%
    86%
  • 音楽 - 55%
    55%
71%

映画レビューまとめ

ストーリーは単純なのであまり点数は伸びませんが点数ほど悪いものでもありません。わかりやすくていいなという感想です。キャラクターはクッキリとしていていいかな。もう少し苦悩とか描いていたらもっと魅力的になったかなとは思います。演出は所々光る所があります。映像は圧倒的に綺麗な部分があるので高得点です。音楽はほぼ意識に残りませんがそれだけマッチしていたと受け取ってみました。

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