ペネロペ・クルスだけがスペインの美人女優ではないというのがこの映画でわかります。ヴィクトリア・アブリルの肝っ玉かあさんぶりは彼女の個性が生きています。年齢を重ねて他の3人の女優よりルックスは劣りますが、演技力は一番だと思います。アリアドナ・ヒルは『ベル・エポック』でも男まさりの女性でしたが、この作品はさらにアクションも見せてくれます。『女王ファナ』のピラール・ロペス・アジャラは清純なイメージに秘めた情熱を感じる女性でアクションは苦手(?)だと思っていたのですが、魅せてくれます。エレナ・アナヤは他の3人ほどではないけど頑張っている感じです。出演場面は前半だけですが、一番美人かな・・・?ディエゴ・ルナは童顔で殺し屋向きではない感じがしていたのですが、髭を生やしてクールな殺し屋を演じています。殺し屋の心変わり、女性との恋の結末はやはり悲劇に終わります。裏切り者には死が待っている・・・アクションとラブシーンが印象に残りました。逞しい女性たちに翻弄されていく男性たちの結末はフィルム・ノワールでは異色でもあり定番でもある気もします。ラストのパコ・デ・ルシアの音楽はスペインのフィルム・ノワールにぴったりだと思います。彼のCDをまた聴きたくなりました。