恒久的なおもしろさのある古典らしい古典でした。
冒頭で先が読める、のではなくあえて見せているのは、誰にでもわかりやすく不安をあおり、
展開して行く「劇」を楽しませるために幾度も手を加えられてきた末にたどり着いた手法だと思います。
小説ではないので、犯人探しをするのではなく、物語そのものを悲劇と知った上で楽しめます。
世界中で繰り返し上演されてもあきられない作品を作り出すというのはすさまじい功績です。
話自体は全然似ていませんが、結末に向かうオイディプス王の姿に谷崎の春琴抄を思い出しました。
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ソポクレス オイディプス王 (岩波文庫) Kindle版
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オイディプスが先王殺害犯人の探索を烈しい呪いの言葉とともに命ずる発端から恐るべき真相発見の破局へとすべてを集中させてゆく緊密な劇的構成.発端の自信に満ちた誇り高い王オイディプスと運命の逆転に打ちひしがれた弱い人間オイディプスとの鮮やかな対比.数多いギリシア悲劇のなかでも,古来傑作の誉れ高い作品である.
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1967/9/16
- ファイルサイズ1.6 MB
販売: 株式会社 岩波書店
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登録情報
- ASIN : B07CS17551
- 出版社 : 岩波書店 (1967/9/16)
- 発売日 : 1967/9/16
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 1.6 MB
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 131ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 155,332位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 18位ギリシャ・ラテンの小説・文芸
- - 91位ギリシャ・ラテン文学
- - 1,523位岩波文庫
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星5つ中5つ
恐るべき普遍性。
ここ4~5日くらいかけて、ゆっくりと味わって読んでいる。 最初に読んだ時には全く「引っ掛からなかった」台詞が、3度目に突然浮かび上がってきた。 「おっ!」と思った台詞の上に付箋を貼っていった。 付箋はオイディプスと(盲の預言者)テイレシアスの間で交わされた台詞に集中している。 ・知っているとは、何と恐ろしいことであろうか ・みんな何も知らぬからじゃ ・きたるべきものは、おのずからやってこよう ・みずから言いわたした布告の命に、よく服するように ・たえまなき闇夜の中にいるお前が(中略)危害を加えることなどできようか など。まだまだあるが。 引っ掛かる箇所は、人によって違うだろう。 小説ではないので、いわゆる「背景」に当たるものが台詞としてしか書かれていない。 登場人物の台詞が主である為、実に率直に語られている。 しかも本質をズバリと言っている。 ←すこぶる私の好きなタイプである。 2500年以上も残っている訳だ、と納得せずにはいられなかった。 これは「哲学」書の様にも感じられる。 人間の実相とでも呼ぶべきものが、台詞として数多く書かれている。 台詞という、人が喋る言葉の安易な表現で書かれているからこそ、尚更「ハッ!」とさせられる様にも思われる。 この劇を、作者であるソポクレスが生きていた当時の古代ギリシャでこそ観てみたいと思った。 現代の劇には、余り興味が起きない。 この本は、司馬遼太郎と塩野七生を吹っ飛ばした(笑)! 他にも吹っ飛ばされてしまった作家が多くいるのだろう・・・私がまだ気付いていないだけで。 演劇の文学作品を始めから終わりまで読んだのは、この本が初めてだ。 もう、モリエールだろうがシェイクスピアだろうが、読める様になっているだろう。 余り読みたいとは思わないが。 私にとってはいきなり「最高峰」の作品を読んでしまった様な、そんな気分だ。 例え、シェイクスピアのどの作品を読んでも、この作品程には感銘を受けないだろう。 読後の感覚はえも知れぬ心地良さに巻かれる。これを「恍惚」と言うのか、とも思う。 まるでプラトンの『饗宴』を読み終わった時の感覚そのものだった。 古代ギリシャ・ローマの作品に何故か惹かれてきた私だが。 この本を読んで、その理由が分かった気がした。 当面は世界文学、とりわけ700年以上残っている作品を読んでみたいと思っている。 長く残っている作品には、相応の「強度」が必ずある。それに触れてみたい。 この作品はこの先も長く残っていくのだろう。 それだけの普遍性が込められている。 短く、シンプルなだけに、それが一層引き立つ。 素晴らし過ぎる作品だった。
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2019年10月13日に日本でレビュー済みフォーマット: 文庫Amazonで購入
- 2020年10月18日に日本でレビュー済みフォーマット: 文庫Amazonで購入古典から学ぶこともあることを再認識しました。
- 2025年5月7日に日本でレビュー済みフォーマット: 文庫Amazonで購入ちくま文庫の方に
ソポクレスの作品が揃った文庫が
一冊にまとまって出ているので
そっちのほうがお得
訳者は違うけどどちらも問題なし
- 2015年8月19日に日本でレビュー済みフォーマット: 文庫Amazonで購入世の中は不条理なことだらけ。自分ではいくら正しいと思って頑張っても
なかなか思うようにはいかない。運命に翻弄されるオイディプス王の苦悶に
共感を覚える。
ソポクレス(BC496‐406)はギリシャの悲劇作家。「オイディプス王」は
ソポクレス66歳の円熟期の作品(BC430年頃)であり、当時祖国アテナイは
栄華、隆盛を謳歌した時代である。
話の中身の主要部分はすでにオイディプス伝説としてホメロスの「イリアス」や
「オデュッセイヤ」にも書かれている。父親殺し、近親相姦、自分探し、
捨て子の物語などのテーマは現在でも形をかえて繰り返し文学にあらわれる。
当時の観客は話の内容はあらかじめよく知っているのにもかかわらず、
ソポクレスによる劇の怒涛の急展開にひきずりこまれていったようだ。
その物語の展開の手法は哲学者アリストテレスにも激賞されている。
オイディプス王の物語はいまから2500年以上も前の話だし、合理的な現代では
起こりようもない物語だと最初は思った。でもよく考えると運命に翻弄されるのは
オイディプス王にかぎらない。私たちだっていつ運命に翻弄されるかわからない。
いまは平和な日本でのほほんと暮らしていますが、もし私たちが実際の生まれた日
よりもわずか数十年前に生まれたとしたら私たちの人生も随分と悲惨なものに
なっていたかもしれません。
どうも「運命」は長続きする平和を嫌うらしい。日本にも戦争の影が
少しずつしのびよっているようです。私たちはいま平和と戦争の分岐点にいる
かもしれない。読みながらそんなことを感じました。
- 2017年7月5日に日本でレビュー済みフォーマット: 文庫Amazonで購入演出家の蜷川幸雄は、〝見ること〟を自らやめる『オイディプス王』(ソフォクレス—作、ホーフマンスタール—脚本、小塩節、前野光弘—訳、東宝—プロデュース、’76日生劇場)を演出しました。
「何故、ギリシア悲劇なのか?古代ギリシアでは悲劇とは観客にとって、つまり民衆にとってなにだったのか?今、わたしたちにとって、オイディプスはどのような衝動をもたらすものであるのか?オイディプスを読んだ時の不思議な感動の、そのよってきたるところの追求!全てを自分から始めればいい!先人をあてにしないといういつもの鉄則を!」
蜷川自身も持って演出に取り組んだ、その道のりは、まるでオイディプスがスフィンクスの謎を解く道のりと同じようなものであったのかもしれないと思います。
抵抗、政治の時代から、商業演劇の世界へ入り、そのことに対する批判を仲間から受けながらも、多くの矛盾に自らが〝みえるもの〟を問いつづけたことが、オイディプスの旅のようでした。
読む人がそれぞれに得る解釈、感想は全くちがったものになるかもしれませんが、
〝見ること〟を自らやめること、〝目をつぶしたあとにみえてきたもの〟について読後、考えさせられました。
古典はあらゆるメタファーのようです。
ぜひ、ご一読を。
- 2009年2月4日に日本でレビュー済みフォーマット: 文庫スフィンクスの危機からテバイの国を救い、
王位についたオイディプス王。
王となってから十数年。
平和な国に災難がふりかかり、
再び国を救うために行動を起こすことになった。
その中で明らかになる、
出生の秘密とは。
短編の戯曲です。
文章は比較的読みやすいですし、
演劇が好きならそれなりに楽しめると思います。
私は全く興味の無いジャンルであったということもあり、
合唱部分の文章は全く頭に残りませんでした。
個人的な評価としては星3つです。
心理学用語の由来を知りたい人や、
戯曲に興味がある人であれば、
もっと高い評価のできる作品だと思います。
- 2020年3月15日に日本でレビュー済みフォーマット: 文庫Amazonで購入古井由吉氏が「この道」(講談社)に、引用されていたので、購入。即日読了。一読三嘆。ところで、「この道」、読み通すのに苦労しています。「ひょっとしたら」と思って、ネットで調べてみると、2020年2月18日に逝去されたとのこと。ご冥福をお祈りします。
- 2018年10月26日に日本でレビュー済みフォーマット: 文庫Amazonで購入光源氏と藤壺のような展開。
古今東西、人間の本質はそんなに変わらないと考えさせられる。